▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩21-40
▽第1期:名前の無い詩 21足は絡み、そしてまろぶ。
手は力なく落ちる。
引き裂くような思いは
闇が手招く
まぶたすら開かぬのに
この目が貴方を迎えるはずが無い
音は遠ざかり、やがて、途絶える
2006/9/22(金) 16:56
▽第1期:名前の無い詩 22
光と闇の離反
その間の区切りは
何を思う
混沌が良いか
純粋が良いか
分らないからこそ
私は問う。
2006/9/25(月) 19:22
▽第1期:名前の無い詩 23
その箱は迎えるように
暗きに向かって
口を開く
口内にも居る
その闇たち
明かりの無い囲われた
小世界
2006/9/25(月) 19:25
▽第1期:名前の無い詩 24
海辺に沿うように漂う船
船の腹は海水に浸され
潮の流れに身を任せ
ゆら、ゆらと静かに進む
映った月は船に裂かれ
それでもただ流れゆく
誰も、何も、無い、地へ
いかりはおろされ
2006/9/26(火) 18:01
▽第1期:名前の無い詩 25
走馬灯はくるりと走る
作られた・本物の
記憶を 乗せて
私の下を走る
全てその背に乗せて
そして灯・馬は消え
回想を終わる
2006/9/26(火) 18:06
▽第1期:名前の無い詩 26
暗たんたる雲は空の中
雨の香りが外へ誘う
じきに降る雫
穿つような、責めるような
落下の衝撃
膝はくず折れ
体は地に伏す
2006/9/26(火) 18:10
▽第1期:名前の無い詩 27
私はもういらないのでしょう?
壊れた人形に等しいから。
もう、捨てるだけだから。
貴方はもういらないでしょう?
飽きた人形と同じだから。
もう、焼かれるだけだから。
私と心と思い出。
せめてキレイになればいい。
2006/9/26(火) 18:13
▽第1期:名前の無い詩 28
春は舞い降りて
つぼみは花と化す
それを千切る幼子
痛みを残して地に堕ちる
咲くのが罪か、千切るが罪か
風は私の戯れ言を空に流す
2006/10/1(日) 14:15
▽第1期:名前の無い詩 29
月は宙をめぐる。
くらいくうきょくるりと
己は輝けない
はんしゃはずせばはめつ
太陽の光を受けるため
みぎにみぎにみのがさないよう
近いようで 遠い 二人
2006/10/1(日) 14:17
▽第1期:名前の無い詩 30
手を引かれて行く先は
私の知らない小道
ささやく声は
かえさない。もどれない。
だから前へ進むだけ
虚ろに響く足音も
急かすように。
先は見えない。
2006/10/8(日) 12:09
▽第1期:名前の無い詩 31
土をえぐり
闇を穿つ時間
深みはさらに奥へと
進み
そしてそれを埋める
掘る時間と真逆の
深みはやがて平面へと
闇を閉ざす時間
あとは何も残らない
表面上はもう無い
2006/10/8(日) 12:13
▽第1期:名前の無い詩 32
慈しみの花は血塗られて
荒れる風はなぎ倒し
焼かれたにおいは
もう慣れた。
別れの言葉は何だったかは
もう思い出さない。
あなたと再びまみえる事は
もう無いから。
2006/10/8(日) 12:15
▽第1期:名前の無い詩 33
柩は隠したまま
その亡骸を抱えて
浄化の火に愛撫され
朽ちるよりも早く
炭へと変わる
なぐさめは追憶へ
記憶は忘却へ
己が柩に眠るまで
身体が炎に合うまで
2006/10/8(日) 12:17
▽第1期:名前の無い詩 34
白い黒い赤い青い
何色?
ぬりつぶされた混色の世界
黄色い紫橙 緑の
意味をなさない
文字と線
落とせない
くれよんのいろ。
2006/10/8(日) 12:20
▽第1期:名前の無い詩 35
さぁ、葬別の詩を。
言葉はまやかし
所詮は虚像
霧のように
表われ 消えて
言葉は思い
所詮伝わらない。
2006/12/3(日) 11:03
▽第1期:名前の無い詩 36
浜に戯れる童に波の
ゆらりゆらりのさそい
手を伸ばせば中
わだつみのまねき
真の姿は誰にも見えない
かえることなどおもいもしない
岸辺 浜辺の
神隠し
2006/12/3(日) 11:06
▽第1期:名前の無い詩 37
何もかも崩れゆく壊れゆく
止める事の出来ない弱者の己
物語の勇者もいない現実と
砕かれた夢 大地
あぁ、それは
破滅───────
2007/1/6(土) 12:24
▽第1期:名前の無い詩 38
とどまらぬ風追いかけて
鳥のように羽伸ばし
空舞い上がれ
暁の色目指して
この背の翼をはためかせ
天高く飛び立て
今はもう帰らない
そう誓い行こう
大地を廻れ
2007/1/6(土) 12:27
▽第1期:名前の無い詩 39
セピア色の写真のように
この記憶よ薄れてしまえ
むしろ消えてしまえ
追憶が苦痛なら
いっそ壊れてしまえ
2007/1/6(土) 12:28
▽第1期:名前の無い詩 40
夢は途切れ
現は蘇えり
断絶と帰還の狭間
夢は返り
現は途絶え
闇色と光色の混沌
虚ろ歌い詠いつづける
文字はただ羅列される
終わりから創めよう
現に幻 夢にまやかし
2007/3/29(木) 10:26
2011/12/8(木) 01:17