▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩121-140
▽第1期:名前の無い詩 121
右斜めの隅
表ノ心
左斜めの隅
裏ノ心
上澄みの角
表ノ動キ
下深の角
裏ノ動キ
乖離と言うは
天か地か

2007/12/17(月) 15:32


▽第1期:名前の無い詩 122
止まった時計 針を折ろうか
無意味に無意味を重ね合わせ
矛と盾は問い合わせ

壊れた玩具 ねじを回そうか
不完全に不完全を重ね合わせ
矛と盾は答え合わせ

あなたしだい
わたししだい

小異次元

2007/12/17(月) 15:33


▽第1期:名前の無い詩 123
縛る鎖の持ち手は闇
縋る翼の遣い手は空
飾る宝の守り手は風
捜す鈴の売り手は水
僅か 影は 写す
其れ 即ち と言う

2007/12/17(月) 15:33


▽第1期:名前の無い詩 124
雫 一つの甘み
海路に乗せる夕凪

季節は一つ二つ

露 一つの甘さ
旅路に鎖そう雨嵐

季節は三つ四つ

廻るとだけは云えるだろうか
2007/12/17(月) 15:33


▽第1期:名前の無い詩 125
漫ろう雲 空の中
茫漠に忘却に茫然と
掠れた記憶と時間と共に
供物なれと罪とも捧ぐ

懐かしむは我が郷
悲しむは其の心
なれど到るはこの時のみ

2007/12/17(月) 15:34


▽第1期:名前の無い詩 126
老いた死神の錆びた鎌
歳月は夢
月日は幻
日蝕は現
墓の土に埋没の園

老いた天使の汚れた羽
歳月は森
月日は空
日々は海
天の雲に水上の処

2007/12/17(月) 15:34


▽第1期:名前の無い詩 127
小径の差し伸べる手
指先は震えて
木々の葉音は響く儘

砂浜の囁きかける声
声色は震えて
漣の揺れる澱みの地

応ふ声は現し世も見ず
2007/12/17(月) 15:35


▽第1期:名前の無い詩 128
方向の無い指向
変哲の無い嗜好
上限の無い至高
庵に香るは死香
一瞬の言葉は
一瞬の霧散に
一瞬の希望は
一瞬の悪夢に
崩落は微笑み
毅然は気違い
尽きた言葉は
思考回路断線スル為ノ鋏デ有ル
誰のものかは
言ウマデモ無ク分カルデショウ
2007/12/17(月) 15:35


▽第1期:名前の無い詩 129
夜の帷は雪共々
空から降りるが如く落ちる

朝の欠片は更に砕いて
塵のように舞い続けて

焦がした手の筋
張りつめた管が切れてゆく

2007/12/17(月) 15:36


▽第1期:名前の無い詩 130
弧城は古時計を鳴らす
石壁を震わせながら
人なき城の中で
反響ノ音ダケ

弧城は古鐘を響かせる
鉄扉を揺るがしつつ
火灯る城の中で
何時寂レタノ

ひとつ 佇む
時は教えぬまま

2007/12/26(水) 13:41


▽第1期:名前の無い詩 131
血と天使が導く
日射さぬ狂宴の片隅
竪琴で染めてゆく

闇と神々が誘う
月見えぬ夜会の中程
風琴で染めてゆく

路地を辿る
手繰る御影

2007/12/26(水) 13:42


▽第1期:名前の無い詩 132
暗中模索
影が捜すは
今無き物

五里霧中
霧が捜すは
今有る物

見繕った穴は
再びあいても
苦楽を吐いて
郷愁を飲まず
2007/12/26(水) 13:44


▽第1期:名前の無い詩 133
風見鶏が向く先は
血の踊る戦の場

風見鶏が見る先は
蒼き草原禊ぎの地

風見鶏が向かぬ先は
屍の眠る戦の場

風見鶏が見ぬ先は
枯れ木道禊ぎの地

2007/12/26(水) 13:44


▽第1期:名前の無い詩 134
生きるだけなら
屠ってよ
孤高の世なら
忘れて死へと
招く羽は
宙から地へと
時果てるまで
待たさないで

2007/12/26(水) 13:44


▽第1期:名前の無い詩 135
故も縁も
表すものは非ず
座する事のみ
知るばかり

綻びも解れも
止めるものは非ず
端切れのみ
心を覆うばかり

2007/12/26(水) 13:45


▽第1期:名前の無い詩 136
衣擦れの音は幽かな
死せる黒天使の
言伝

人失いし夜は翳りつ
生ける堕天使と
戯れ

纏う虚無を風は緩めて
吹き荒ぶままに空に漫ろう

2007/12/26(水) 13:45


▽第1期:名前の無い詩 137
悲しみを象るのは

寂しさを象るのは

携えて向かおう
輩の元へと

喜びを打ち砕くのは

至福を打ち砕くのは


携えて待とうか
今来る輩を

2008/1/7(月) 19:01


▽第1期:名前の無い詩 138
夕闇と月光
其の境
染み渡る色
其の昏さ
秘めやかに催す宴
剃刀で裂いてみよう
夕闇と赤光
留むべき境

突き崩して

2008/1/7(月) 19:01


▽第1期:名前の無い詩 139
飴の甘さは 至福の罪
取り上げられた童の嘆き
悲嘆の声も
喰い尽くしに 明け暮れて

血の味は 幸福の罰
虐げられる痛みの呻き
哀願の声も
喰い尽くしに 飽き果てて

2008/1/7(月) 19:01


▽第1期:名前の無い詩 140
夢は訪れ
現は帰り
扉を開いて
入り混じる

現は訪れ
夢は帰り
扉を閉じて
静まり返る

帰趨交えて
反駁加えて
入り混じる
静まり返る

2008/1/7(月) 19:02
2011/12/8(木) 01:25
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