▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩181-200
▽第1期:名前の無い詩 181永久に眠れ
扉に鎖 閉ざす前に
夢で踊れ
革の鞄 仕舞う前に
時に施せ
現に束縛 その前に
2008/3/16(日) 22:49
▽第1期:名前の無い詩 182
弓を張って 争いの神に守護を請おう
剣を研いで 飛び交う烏に魂を預けよう
槍を立てて 蹲る輩に安らぎを与えよう
紅濡れてしまう 頬を触れて
虚実交えた生死のすれ違い
数瞬は恒久に等しく
2008/3/16(日) 22:49
▽第1期:名前の無い詩 183
十字架に飾り付けよう
右に翼 左に膜
上弦は虚ろ
下弦は漫ろ
磔刑に処しましょう
上に楔 下に鎖
新月は紛い
満月は歪み
2008/3/16(日) 22:50
▽第1期:名前の無い詩 184
忘れましょ
この手で地面に描いた
空想を
忘れましょ
貴方の記憶に残ってた
私達を
其れだけが心残り
苦しめたくないから
忘れましょ
2008/3/16(日) 22:50
▽第1期:名前の無い詩 185
帰ろう
骸の眠る彼の地から
帰ろう
夢と現の狭間の迷い子
還ろう
探し物在らぬ此処から
還ろう
雛眠る安らぎの巣へ
2008/3/16(日) 22:50
▽第1期:名前の無い詩 186
傷跡 結わえて
償いはコトバ
心を告げた
傍らも
傷口 結わえる
罪滅ぼしはヒ
心を注いだ
杯も
2008/3/16(日) 22:51
▽第1期:名前の無い詩 187
未完の柩は 亡骸は
今に見ぬ我が嬰児が為の
黒き柩
不朽の楔は 郭には
永久にまみえぬ我が身の
黒き楔
2008/3/16(日) 22:51
▽第1期:名前の無い詩 188
眠りの時は茨に在れ
十時の針は風に向かず
眠りの時は東雲にも
四時の針は心に刺して
眠りの時は藪に潜め
一時の針は牢に見えぬ
眠りの時は黄昏にも
七時の針は此処に閉ざす
2008/3/29(土) 10:45
▽第1期:名前の無い詩 189
爪剥いでは
七つの大罪記して
爪剥いては
三人の天使記して
焼ききる縄の端に
地獄と楽園結び付け
相対は対面
鳴らす警鐘 耳に届かず
2008/3/29(土) 10:45
▽第1期:名前の無い詩 190
伝令者を射て
かの堕天使へ告ぐ者を
戯言を受け流せば
見落とす 答 は必ず
格言を聴き入れば
見付ける 問 は必ず
伝令者を得よ
かの堕天使を識る為
2008/3/29(土) 10:46
▽第1期:名前の無い詩 191
切望して絶望した
刹那に知った事柄
滅亡して消滅した
即座に覚えた事象
赤子の指をくるんだ小包
届けましょう?親の元へと。
子供の骨を仕舞った小箱
届けましょう?骸の元へと。
切望して消滅した
即座に知った事実
全ての死を……
2008/3/29(土) 10:46
▽第1期:名前の無い詩 192
傷が造った風の小道
そこを過ぎ去る冷影
月が塞いだ空の東雲
そこに見かける暗影
許しこそ乞えども
真実だけは越えず
戯言に飽き果てて
草原に待ち果てる
2008/3/29(土) 10:46
▽第1期:名前の無い詩 193
飾りは相も変わらず
煌びやかに装って
解けかけた糸を隠す
さぁ この目を溶かそう
さぁ この手を潰そう
さぁ この姿を写そう
シャンデリアを血で塗って
この私より良い装いはもう
此処にはない
2008/4/26(土) 22:32
▽第1期:名前の無い詩 194
雪触れては溶ける
時間を凍らせて
土触れては揺れる
此処が在る訳は
忘れられる事が出来ましょうか?忘れて欲しいと諳んずるその顔を?
何を乞いましょ 恋いましょうか?何を歌いましょ 謳いましょうか?
雪も溶ける時間すら与えないで
確信の時間すら揺るがさないで
2008/4/26(土) 22:32
▽第1期:名前の無い詩 195
雨滴を積んで 嵩を課す
穿ちし穴は底の其処
依然を認めて 影を翳す
揺るがぬ夢は個々の此処
髪を梳く手が探る
言わざる傷だけ
口を塞ぐ
2008/4/26(土) 22:33
▽第1期:名前の無い詩 196
朽ちる時間に抗う術を
枯れ葉は誰に問おうか
身近の木にか
遠方の鳥にか
間近の土にか
彼方の海にか
逃れる術は無い理由を
誰があれに告げようか
2008/4/26(土) 22:36
▽第1期:名前の無い詩 197
風が泣き叫ぶのを聞いた
人伝に聞いた
花がしなだれたのを知った
人伝に知った
無情に無常と云う
無上の悲喜劇だけ
2008/4/26(土) 22:36
▽第1期:名前の無い詩 198
凛と響いて
一つ扉は開く
凛と響いて
二つ扉は開く
凛と響いて
三つ扉は開く
四季映す各扉
開かずの扉の
季節はどぉれ?
2008/4/27(日) 21:39
▽第1期:名前の無い詩 199
右目濡らす涙は
其処に在りし
僅かな記憶
左目閉ざす漆黒
此処を忘れし
滞る者 時とだけ
2008/4/27(日) 21:39
▽第1期:名前の無い詩 200
十字に切り傷
刻みつける失墜の烙印
砂に汚れた羽根
刻まれてゆく残像の束縛
嗚呼遙か高き遠き天
見上げ見守り見限り
睥睨の目には嘲りを並べる
さて、堕落なりに地獄を裁こうか
2008/4/27(日) 21:40
2011/12/8(木) 01:26