▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩201-220
▽第1期:名前の無い詩 201
退廃への過程 荒涼の幻影
素知らぬ子等は口ずさむ
お家はどこ? いつ帰れるの?

現状への認識 草原の逆夢
悟りし親共は諳んずる
もう帰らない 道も家も無いのだから
2008/4/27(日) 21:40


▽第1期:名前の無い詩 202
錆びた剣
ひび割れた柩

踊る月下の影人達を
突いて刺して地に立てる
その矛は死神の骨であろう

欠けた楔
所以を示す唯一の声
2008/4/27(日) 21:40


▽第1期:名前の無い詩 203
夢が云うには
夜ハ箱庭ノ中デ生キル極小
だから怯える物ではなくて

現が云うには
朝ハ六ツノ僕ヲ従エル
だから尊くある物であると

木陰で聞いたあの唄は
久遠も忘れた童歌
2008/4/27(日) 21:41


▽第1期:名前の無い詩 204
紅の海に沈むかの様に
眠れ、眠らぬ
この時に棲む鳥よ

暗きはその身を損なわさず
守るのみ

碧の空に触れる様に
迷え、迷わぬ
羅針盤の針達よ

黎明はその身に宿りて
包むのみ

2008/6/2(月) 20:55


▽第1期:名前の無い詩 205
回れ右で振り向いて
目が捉えた万象の蛮声
去りし時は時として忌む

しゃがんで見渡して
目が捉えた罪人の懺悔
来ぬ時は時として応える
2008/6/2(月) 20:55


▽第1期:名前の無い詩 206
過ぎ去るもまた果てなく
来る先もまた果てなく

延延輪廻

久遠で待つが儘に綻び滅び
朽ちるのもまた果てなく

2008/6/2(月) 20:56


▽第1期:名前の無い詩 207
静寂に佇むわ
待ち人は来ぬと知りつつ

廃墟に座り込むわ
待ち人は居ぬと分かりつつ

子供部屋には一人だけ
呟く少女 高く積まれた何かの影

壊れた人形
幾ら積んでも
宝にはならない……
2008/6/2(月) 20:56


▽第1期:名前の無い詩 208
こころはまだいきている
だから殺さないで
死んだ事になんかしないで

こころはまだいきていたい
だから追憶の一部にしないで
死にたくはないから

ここはまだここうのち
だから静寂を破らないで
安らかな顔で柩に仕舞って
2008/6/2(月) 20:57


▽第1期:名前の無い詩 209
厳かな鐘の音
祈る手がふと和らいで
悠久の時よりの友を
抱き締める手に成る

白い壁に涙が零れては
雨雫と鐘の音は響く
今日は堅く結ばれた祈りの手
儚い時を一瞬でも止めようとするように

また明日も何時までも
絶えない心に祈る

2008/6/4(水) 20:19


▽第1期:名前の無い詩 210
誘い伴う我が輩よ
其の名 知らしめるが為
告げよ
髑髏の眼孔に

惑い転ぶ我が君よ
其の名 愛おしいが故
告げよ
十字の交点に

2008/6/4(水) 20:19


▽第1期:名前の無い詩 211
十字架はいつしか鐘となり
鐘は表で祝福を鳴らし
鐘は冥府で欺瞞を謳う

祝う祝詞に呪いの呪文
永楽 永落
果て素知らぬ風の道筋
2008/6/4(水) 20:20


▽第1期:名前の無い詩 212
貴方のその鍵で
私のこの檻を開けて

瞬間にあの子は知った
光のような闇迷を
瞬間にあの子は覚えた
筋を辿る指が感じるのは
2008/6/4(水) 20:20


▽第1期:名前の無い詩 213
先客の言い訳には
立ち退かざるおえない訳があったらしい
後からの客に言わせれば
居なかったのだからと言う思いらしい

日が数えたらどっちもどっち
月が数えたらどっちもどっち
優柔不断?それとも公平?
いやいや、責任放棄。

2008/6/4(水) 20:20


▽第1期:名前の無い詩 214
造形された石
人ならざる者 通り過ぎる影
整然とした地
人在らぬ場所 立ち止まる影

籤引きで決めましょ
決めましょう
あれに話しかける役を
決めましょう

土から触れてきたのか
自ら触れてたのかは
未ダ不明

2008/6/16(月) 19:46


▽第1期:名前の無い詩 215
開かれた本
閉じられた世界
狭間の闇迷
広野の白光
鷹の羽 鷲の羽 雁の羽
そっと置くその筆に
新たに綴る機会はあるか
2008/6/16(月) 19:46


▽第1期:名前の無い詩 216
呟く言葉には
親しみと別れを含ませ
死の呪い

叫ぶ言葉には
悲哀と慈愛を加えて
偽善の趣

返される言葉
憐れみと異端交えて
拒絶の意


2008/6/16(月) 19:46


▽第1期:名前の無い詩 217
球形割ル力尽キテ
休憩シテ心果テル

雛はいつ孵るだろう      
     日は燦々と巣を見守る
親鳥は唯座り込む       
    月が雲の陰から照らす中

嗚呼何時マデ休ム
一夜過ギル度ニ…

2008/6/16(月) 19:47


▽第1期:名前の無い詩 218
おやすみ
きょうはもうつかれたから
寝ようね

おはよう
きょうもまたあさはきたんだ
起きようね

こんにちは
きょうもまたあっちゃった
話そうね

刺し違えちゃあダメだよ
ちゃんすはいっかいだけだからね


2008/6/16(月) 19:47


▽第1期:名前の無い詩 219
故に夢幻
咲き乱れて散り急ぐ桜
故に下弦
闇に浮かび朽ち果てる月
故に砂塵
吹き荒び泣き喚き続ける地
故に愚者
引く度に首も絞まると理解出来ぬ

2008/7/3(木) 18:28


▽第1期:名前の無い詩 220
収穫したのは苺
ねぇ、ナニイロノイチゴナノ?
貴女……
収穫したのは蜜柑
ねぇ、ドンナアジノミカンナノ?
貴方……

彼方遙か千里・道
味・此処足下に染みて
2008/7/3(木) 18:28
2011/12/8(木) 01:27
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