▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩221-240
▽第1期:名前の無い詩 221
この地から去ぬ
身、風に混ぜて雨に流され
果てぬ

錯綜するのは追憶か奈落か……
茫漠にあるは天界か未来か……

この地に在らず
月、日と交わり世を巡れど
夢見ず

2008/7/3(木) 18:29


▽第1期:名前の無い詩 222
静かに響くその歌にだけ

微かに含む永久の鎮魂歌

絶えた時間 捧げて眠る

月の袂に……
2008/7/3(木) 18:29


▽第1期:名前の無い詩 223
追憶が作る棘...
回想が見る傷...
淡色が知る夢...
赤光が刈る闇...

全て、此処から還しましょう
この郷に在らぬべき物を
全て、此処から帰しましょう
この手に届かぬべき者を

来世が飾る花...
精神が残す痕...
極彩が課す現...
星屑が催す宴...

2008/7/3(木) 18:30


▽第1期:名前の無い詩 224
自我の下に狂い咲く
虫は蝶か蛾か
足元は見えぬ程
埋もれて

微かな寝息と共の夜に棲む

2008/7/3(木) 18:30


▽第1期:名前の無い詩 225
天使が下手で囁く甘い甘い
誘い
悪魔が上手で謳う痛い痛い
言葉

役者の私はどちらに行けばよいかしら
若しくは貴方の居る
上手デモ下手デモナイ処……?
2008/7/24(木) 10:32


▽第1期:名前の無い詩 226
ねぇねぇ
これなぁに
何時も何時も間近で
何時も何時も煩いもの

そろそろ
鬱陶しいから黙って
2008/7/24(木) 10:32


▽第1期:名前の無い詩 227
りせいノ隷属者達ヨ
集エ
故ニ我ラハ
死ヲ欲シ、自ラヲ傷ツケル
故ニ我ラハ
超越的ナマデニ
りせいノ隷属者
嫌ワレ憎マレ疎マレテユク
心酔者ナノダカラ
本能ヲモ覆ス蹂躙ノ手

2008/7/24(木) 10:33


▽第1期:名前の無い詩 228
灼け爛れて解けてゆく
指先から解れてまた
糸紡いで流れば織り成す布
されど質量足らず海になれず
踏まれる小さな水溜まり  蒸発
2008/7/24(木) 10:33


▽第1期:名前の無い詩 229
追憶している鳥が
黒鍵を押す
追走曲、輪舞曲、葬送曲

「どうぞどうぞ空いてるお席へ
もうすぐ始まりますゆえ」

嗚呼次の鳥が
白鍵を押す

2008/7/24(木) 10:33


▽第1期:名前の無い詩 230
川上で置き去り 帰る術無し
童が高々笑う
肉を切り詰めた 葛籠に滲む
郷愁と血の姿

閑古鳥と風見鶏が相見え
空が揺らぐ
2008/7/24(木) 10:33


▽第1期:名前の無い詩 231
爪弾く石を転ばせ遊ばせ
気に入らないなら池まで蹴飛ばす
偶に積んで稀に崩す
無邪気にきゃらきゃら笑っては廻す廻す

識別用乃名前又番号付。

2008/9/20(土) 18:12


▽第1期:名前の無い詩 232
水面に浮かべた紙雛
貴方との時間も一緒
貴方の言の葉も一緒
貴方がくれた物も共に

古き慣習に則り新たな涙を加えて

ぽつりと流れて行く逝く
水の尾を引きながら
2008/9/20(土) 18:12


▽第1期:名前の無い詩 233
貼り付けの笑いね
何処から見つけて
貼り付けているの

そんな顔するなら私が心地よく破壊してあげる

大元は何処かしら


2008/9/20(土) 18:12


▽第1期:名前の無い詩 234
散骨啄まれれば

是、鳥葬と

弛む弓に矢乗れば

是、死相と

罷り通らぬは生者の黄泉求む手である
檻の網目

2008/9/20(土) 18:12


▽第1期:名前の無い詩 235
朧かな月がたゆたう海
ふらり一陣の風が乱す水面
懐かしめども それは追憶

過ぎ去りた物と云わねばならぬか?

2008/9/20(土) 18:13


▽第1期:名前の無い詩 236
ある人は...風見鶏の向きを西と言った
ある者は...犬の尾の向きを東と言った
ある人は...太陽の照る方角を南と謳う
ある者は...影が傾いた方角を北と謳う

されど時が過ぎ去る事
もしくは
過去には戻れぬ事は
どの者も分かっているのだ……
2008/9/20(土) 18:13


▽第1期:名前の無い詩 237
また少し囁く
訂正しよう
耳朶を叩く

嘗ての繁栄は
訂正しよう
彼方に忘れ去られた軌跡

見当たらぬ未来は
訂正しよう
来るはずの無い貴方

2008/11/10(月) 17:08


▽第1期:名前の無い詩 238
素知らぬ顔でふいと横向く子

いけない子ね、いけない子ね
あれほど大切にしなさいと言った
傘を折って

今度は俯いて謝罪を呟く

いけない子ね、いけない子ね
あれほど謝りなさいと教えたのに
先にむくれてしまっては

2008/11/10(月) 17:08


▽第1期:名前の無い詩 239
絵には幾らでも描き込めましょう?
真も嘘も幾つでも
紙には幾らでも書き込めましょう?
偽りも本当も幾つでも
話には幾らでも掻き込めましょう?
償いも仇も幾つでも

心は絵?紙?話?違うモノ?
2008/11/10(月) 17:08


▽第1期:名前の無い詩 240
夢と幻
現と景色

赤い闇へと屠りましょう
青い光だけ弔いましょう
2008/11/10(月) 17:09
2011/12/8(木) 01:27
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