▽過去の詩集 第2期:名前の無い詩21-30
▽第2期:名前の無い詩 21
孤独理論

感情を計上した帳簿の次の行には
後悔ですとか、積もり積もる引き算が書き足されるのです。

悪化の一途を辿る精神状況を打開しようにも
抑圧を計上したその場は楽や喜びという足し算ができますけど。

後々、利子を加えてマイナスとなりまして…

壁に、挟まれて潰れるのです。

2010/6/24(木) 23:42


▽第2期:名前の無い詩 22
僕という多層構造が機能しておりますゆえ
多少なら問題はございませんが
ええまあ
多層構造の中の一層がもろもろになりますと
上下関係なく崩れてしまいますゆえ

お取り扱いにはお気をつけて

2010/6/24(木) 23:42


▽第2期:名前の無い詩 23
形骸化した言葉に
罪という意味はないようだ

使い古された言葉でも
強い意味はあるようだ

意味求めて三千里行く
その人間自体に意味はないようだ

2010/6/24(木) 23:42


▽第2期:名前の無い詩 24
これが殺すというのなら
死ぬはそれほど苦楽なし
感慨だけが後々苛み続け

心臓を、縛るような痛みが走るだけ
頭に、鉛を溶かし入れる作業が永続

2010/6/24(木) 23:42


▽第2期:名前の無い詩 25
ただ眠たいだけの脳内が
はじけては浮かび上がるぼんやりとした記憶を
蝋燭の火で炙るように少しずつ無にしていく

煤に似た汚れが染み付いた
この思考回路に残るのは
ショートした感情
失ったという存在

無意味な世界がそこらへんにたくさんありました。

2010/7/29(木) 23:37


▽第2期:名前の無い詩 26
「守銭奴ってやつぁ、全くいけねぇ」
「金なんか落ちてたら拾ってやるって目ぎらぎらさせて、下ばっかり見やがる」
「だから腰なんか、曲がっちまってよぉ」

「聖者様ってのもいけ好かねぇ」
「何かありゃ、神様神様いいながらお天道様仰いですぐお祈りだ」
「だから腰なんか、反っちゃってよぉ」

どちらでもないあなたは何だって言うんですか?
「決まってる。守銭奴でも聖者様でもなけりゃ、ただの盗っ人さ」
2010/7/29(木) 23:37


▽第2期:名前の無い詩 27
この彼方に付き人あり
風という名の付き人あり

遥か彼方に付き人あり
自由に不慣れの付き人あり

糾うことない糸はなく
風もまた縛られ縛る存在と
誰が詠えば気づくだろう

2010/7/29(木) 23:38


▽第2期:名前の無い詩 28
細道、雨降り
誰もが流れる向きと逆らう人は
誰より高く傘上げすれ違い

僅かな差違に涙して
ただただ揺れる、水玉傘

2010/7/29(木) 23:39


▽第2期:名前の無い詩 29
切迫、潔白。圧迫、屈伏。
現代に置ける際限なき抑圧

全てが自由前提ゆえのストレッサー

元よりなければ或る意味 「幸せ」
元より溢れれば或る意味 「不幸」

勘ぐる日々に、一匙の睡眠薬を。

2010/7/29(木) 23:39


▽第2期:名前の無い詩 30
香り弾けて 泡のように
消えてなくなった

数え歌 歌い始めて
止まらなくなった


逃げて戸を閉め鍵かけて
うずくまり泣くように顔を伏せた


夢が弾けて 意識が遠くから
帰ってきていた

童歌 歌い終えて
寂しくなった

2010/7/29(木) 23:39
2011/12/8(木) 01:31
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