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桜、散り逝く中で思ふ
縛り付けられた鎖。
外すことの許されない首輪。
ひらりひらりと、舞い散る桜花。
ねぇ、何を間違えてしまったの?
どうして、私はこの牢獄の中で過ごしているのだろう。
虚無の眼を誰に向けているのか・・・それすら分からない。
ねぇ、
大切「だった」記憶が、徐々に剥がれ落ちて行くの。
もう、名前が思い出せないよ・・・。
忘れられるのと、忘れるのは
どちらの方が重く、苦しいのか。
私はきっと、そう・・・【忘れる側】の人間なのだろうね。
【霞む思い出】に残ったのは、深い深い、失念と絶望のみ。