▼]V


唄う、私は歌う。
震える唇を開き、音を奏でる。
けれど・・・その歌は、あまりにも歪であまりにも不格好な詩。

私が口ずさむのは、誰もが驚くでしょうね。
だって・・・、
【詩】を誰よりも嫌う私が、泣いて唄っているのだから。


これはレクイエム。
天にいるであろう君に贈る、私が初めて捧げた【詩】だから。

何故、君は最期に笑って、私の前に消えてしまったのだろう?
突っ張って、そうして必然的に訪れる明日が【当たり前】と思って、
後悔しても、もう遅くて・・・。

今の私は、きっと誰よりもかっこ悪いでしょう。
それでも、よかった。
下手な歌を唄って、それだけで君のくれた想いが湧き出てくれるなら・・・、

私は、ずっとこの黄昏の空の下で、永久(とわ)に唄い続けるから。
だから、私の頬に、雨を降らせて下さい。
誰にも、見られないように、大粒の涙を・・・。

確かにそこにあった 一つの詩(うた)

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