▼]]V
──雪は純白で、脆くて綺麗なモノ。
そんな雪を見ては、君と笑い合っていた。
ふざけ合って、楽しい時に浸って。
それだけで、幸せだった。
でも、どうしてだろう。
君の亡骸を目の前にして、どうして何も出来ないのだろう。
動かないといけない。
それなのに、腕は君だった者を抱えて。
血も出ていないのが、余計に死人とは思えなくて。
どうせなら、
君という身体が赤に染まってくれたら、まだよかったのに。
何もないから、受け入れない。
まだ、身体も温かいのに・・・。
どうして、心は冷たいままなのだろう?
雪が降り注ぐ。
静かに、まるで、最期の別れと言う様に。
雪が、君の瞼に一つ降る。
やがて溶けた雪が水になり、流れた。
嗚呼、それが・・・泣いている様に見えるなんて。
どうせなら、起きて欲しいのに。
白に染まった君は、ただの骸となるだけ。
「溶けて 消える 君のすべて」