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▼2017/12/11(月):★12月例会10日。快晴。
この日の作業は2部構成で、午前中は里山作業。午後からは土気(トケ)の高田造園へお邪魔してレクチャーと現地見学。第1部は昼食前に解散、2部参加者の昼食は各自でということなので、参加者は少ないかなと予想していましたが朝は22名+子ども1名+犬1匹。2部の方は16名と子ども1人。お疲れさまでした。

第1部は @尾根筋の散策路上の風倒木を伐採すること。脇に放置されている倒木を下まで下ろして、里山改造計画資材として確保すること。手で運ぶのははかがいかず、やがて山道の急な崖から下へ投げ下ろして軽トラで運ぶなど大胆な作業になりました。資材置き場では太さと長さをそろえてという話はどこかにすっ飛んで適当に積み上げました。使う時にそのサイズに切り分ければ良いとしました。
また通路確保のために斜面のステップ(階段)をスコップで補修しました。その際、高田式に消し炭をステップ上面に散布しました。

Aニリンソウの植栽。春の里山を彩るニリンソウがこの里山にはないので、OKM氏が昨年、一部に植栽しました。もっと増やそうと根を持参しましたので、適当な場所に適当な木材を切って枠を作り、掘って根を植えました。春に芽吹いて花が咲けばうれしいことです。里山は何でも自分のしたいことをすることが許されます。

B梅の老木の剪定。コケを落して剪定したので元気を取り戻した梅ですが、徒長枝が伸びているとのことで急遽、剪定作業をODKさんが行いました。外野が煩かったですが、めげずに実践しました。

それらの作業の間、皮をむいて切り分けたリンゴをそれぞれ賞味しました。このリンゴは6月例会の時に関西式お好み焼きをお手伝いしてくれた埼玉のKBYさんが故郷信州のリンゴを里山の皆さんへと贈ってくださったものです。蜜がたっぷり入り、外仕事で疲れた体にはちょうど良いサッパリ具合と甘さだとみな喜んでいました。

1部はここで解散。2部は有志で車に分乗して千葉市緑区の土気ダーチャに向かいます。ダーチャとはロシア語で、300坪程度の農園付き別荘だそうです。ロシアの都市住民はソ連崩壊、西側の経済封鎖の中でも暴動や餓死者がでなかったのはダーチャで自給自足をしたからだと説明がありました。
そういえばキューバでも有機肥料での自給自足システムが整っているという話を聞いたことがあります。
日本では老後破産がささやかれる中、リタイア世代は乏しい年金に頼るのではなく田舎で自給自足をめざすべきだなんて、つい考えてしまいます。

その田舎の自然環境が不適切な管理で荒れてきているので、自然の水の流れ・空気の流れを回復させることで豊かな自然環境を取り戻そうと全国で活躍しているのが高田造園さんです。
高田さんの話の中で、記憶に残ったことを書きます。

@むやみに杉や下草を除去するのは地表を荒らすだけで最悪。地表がむき出しになり雨水が地表を流れ落ちるのは人間でい言えば皮をはがれて赤裸、血が流れている状態。
A地表にだけ目を向けるのではなく、地中の環境の改善こそ最重要。地中の空気の流れ・水の流れに配慮した手入れが必要。
Bそうすれば植栽した樹木は丈夫に育ち、周囲の植生種類も劇的に増加する。
Cフィールド全面に手を入れるのではなく、ここはというポイントに溝を掘り、あるいは深さ2m程度の穴をあければ地中の水と空気が動き出す。つまり、点と線の処置を行う。
Dするとフィールド全体の自然環境が改善し、篠竹は根笹に自然に変わり、根笹も自然に昔からの野草に変わっていき、樹木は健全に大きく根を張り育つ。点と線で改良すれば面が改善される。
Fその他、マウンド密植植栽法や何百人使ってもOKなエコトイレ。古民家廃材を使ったコテージ。筋交いやコンクリを使わず、焼き松杭を使った耐震建築など興味深い話があり、現場を案内されながらの貴重な体験とレクチャーでした。

このダーチャ訪問には友好団体のいすみ竹炭研究会やブラウンズフィールド、大多喜や御宿で自然回復運動に携わっているメンバーたちも参加していました。いすみ市もバックアップしています。大いに交流を重ねて、里山の自然を回復しようと盛り上がりました。


Posted 19:20