▼第8号07.07.01
榎本 兼久そろそろ昼飯が出来る頃かなと思い、草刈り機のエンジンを止め木陰の切り株に腰を下ろす。森の下草を刈り始めて約三時間、腹時計はとっくに昼を告げている。
今春出来上がった東屋からカラン・カランと音が聞こえてきた。待っていた昼飯の用意が出来た合図である。
四〇年ぐらい前までだったろうか、小中学校で始業や終業の合図に小使いさんが鳴らしたハンドベル(手鐘)が、今春出来たばかりの八角形の東屋に紐で吊るしてあり、これを鳴らしているのである。
昼飯は炊事班長のアイデアにより毎回献立が変わる。今日の昼飯は何だろうと考える事が楽しみの一つである。
豚汁・バーベキューは定番である。カレーライスの時もある。季節により七草粥などもある。
大原漁港は伊勢海老の水揚げ日本一だそうで、伊勢海老のバーベキューの時もあった。さざえの網焼きは食欲をそそった。缶ビール、ウーロン茶も用意されている。
会員の提供によるドブロクも出る事がある。糠漬けや梅干もある。米やバーベキューの燃料の炭は自作である。何よりも、共同作業のあと多勢の仲間と一緒に食べる昼飯の味が素晴らしい。至福のひと時である。
大網 原人
「大義を薄めて息を潜めて長持ちを」行動の原点は人。人の原点は酒。酒の原点は肴。魚の原点は山と水。故に我此処に有り。と、我を納得させながら冷笑をものともせず、頼まれもせずの異土掘り三昧が止まらず。
多才なメンバーが多くなかなか面白いと共に羨ましさが先行。電子やの成れの果てには思考を停止して一途な作業を選ぶしか道が無し、と理解するのも時を要さず。
フィールドが広く起伏に富んで作業の達成感は短時間では得られ難いが、海寄りの人種が多いせいか心の広いメンバーが多いせいか救われる。が、ナンと言っても第三日曜日のグレートランチにつられ、当「大網食堂」のメニュー拡充(?)のための岬通いは必定。
里山保全の「大義」のための原稿は、かくして性格が薄れ、いつの間にか変質してしまい、怪しい原点に賛同される方のメンバー募集広告に使われたりすれば言う事なし。
鈴木 美津子
四月のある日のことです。アンズの木の下の道路を歩きながら、マイアンズはどうなっているかしらン?・・・と見上げると、何と根元にスミレが咲いているではありませんか。
薄紫色のそこかしこで目にするごく普通のスミレです。マイアンズの根元ともう一ヶ所は、少し離れた場所に・・・。
どうしてそこに咲いているの〜?!嬉しくなって側にいたクマちゃん(愛犬)に「ねェねェ、咲いているヨ〜きれいだねェ〜」と話しかけてしまいました。いったいあなたは何処から来たの? 長い間ここに眠っていたの? それともアリさんに運んでもらったの? はた又、私の長靴にくっついて来て見事にこの地で花開いたとか・・・。
あれこれ考えてみても確かな事はわかりません。いつの日にか、私がスミレの言葉を理解出来るようになったら、教えて下さいね。
追記
里山の会の皆さん、空き缶の回収にご協力頂きましてありがとうございます。そしてクマちゃんと遊んで下さり感謝です。 これからも宜しくお願い致します。
川口 和也
春の例会で野草天ぷらの具としてカンゾウを食べた事を覚えていますか。クセのない味でした。カンゾウや苦みのあるフキノトウを食べると私は春になったことを実感します。
カンゾウは桑田近辺のあちこちに群生していますが、雑草として刈られてしまいます。
咲いた花を見かけることはめったにありません。写真は昨年の春にかわいそうだからと自宅に移植したカンゾウの花です。
スカシユリやキスゲの仲間ですから、刈らなければ七〜八月の里山ではオレンジ色の花が一面に咲き乱れているはずでした。
日光のキスゲか桑田のカンゾウかという美しい光景は、その気になれば夢ではありません。
花が咲く前のつぼみは、ほのかな甘みがあって天ぷらにして頂きます。大量に咲いていればそのような贅沢も出来ます。
食べることが目的でカンゾウを保護しようと主張していると思いますか?いや、自分も少しはそう思いますが・・・。
小山 益男
約一年半を掛けて、四月の終わりに「傘亭」を完成することが出来ました。江澤さんの口利きで、てっぺんのブリキの帽子もかぶさりました。この間、会員の皆様の多大なご協力を頂きました。私が勝手に始めたことなのに、いろんな形での応援を頂き本当に有難うございました。
出来栄えは私にとっては十二分なのですが、本来の傘亭(京都高台寺、秀吉の正室ねねの方の菩提寺にある茶室)と比べるとヤヤ落ちるのと、里山では日笠として使うことになるし、実際、その形は日笠そのものです。
以上の理由から、これからは「日笠亭」と呼びたいと思います。日笠亭での昼食、休憩、この夏にはとてもいいですよ。
この日笠亭建設の傍ら関わった里山の活動、そしてクラブ活動としての米作り、梨作り、畑作などに不十分ながらも参加して本当にいろんな事を教えられました。里山の保全が、地球環境を考える事に繋がっている事などを。
再度、有難うございました。
センター長 佐藤 務
今回は磯遊びのお話をと思っていましたが、誠に残念!まだ潮に浸かっていま
せん。実はチャンスがあったのですが、農園の草刈りに追われグズグズしており機会を逸してしまいました。
でもでも、センター次長である縄文人が居酒屋のおとうに誘われて蛤採りを体験したんですヨ。
そんな訳で、今回は「聞きかじり蛤採り」のお話を紹介しましょう。六月一日(土)午後九時、居酒屋でおとうと縄文人がこそこそ密談「明日は潮周りが良さそうだ、夷隅川の河口まで蛤を採りに行くがどうだ」
縄文人は血が騒いだと思え「勿論行く行く」と即答、翌日九時三0分におとうの自宅へ向かう。
一三時頃、バケツに三分の一程の貝類を持参。アサリのでかい奴とか潮吹きやら、見たことの無い貝など「ところで蛤はどれ」と尋ねても・・・答えがなかったが、採取の仕方はと尋ねると「海水に胸まで浸かり、大きな熊手を引き、足で探る」とか。Tシャツとパンツがグショグショになり鼻の頭も真っ赤か、本当に楽しそうでしたヨ。
縄文人とおとうは年の離れた兄弟のような、また共通先祖は「狩猟民族」のような、人と人との繫がりを不思議に思いながら、なにか微笑ましくもあり羨ましくもありました。
さて、センターでは竹林の整備を始めました。下草を刈り古竹を切り若竹を残す作業です。
下草を刈りながら欅の梢を見上げて一句
「目に遠き 竹林しのぐ 緑かな」
また、農園利用者とのバーベキュー時に一句
「蚕豆を 集いて焼きし 昼の宴」
一木、田内、根本、角田、北村、江澤の皆さん、事務局長の蚕豆のお味は如何でしたか。川口先生に触発され焼き蚕豆を初めて食しました。本当にうまーい!。
里山クラブ7月スケジュール
*畑・・・各自で作業
*梨・・・カラス対策を考える
*梨の予約申込みを受付けます
*田・・・主に草取り
*里山クラブ内の総会を開き、
活動の進め方を話し合いたい