空へのこたえ あとがき
 ボム・メールとほぼ同時進行で執筆した本作は、ボム・メールのハラハラしたりドキドキしたりする感じとは違い、少し控えめに、登場人物たちの感情や思いを大切にして書き上げました。
 そのちょっとした違いを感じてもらえれば幸いです。
 身近な人への疑惑、後ろめたさを感じることは人生の中でたくさんあり、そのたびにこたえを求めて必死に悩むことと思います。自分を通すことを優先するか、他人の気持ちを尊重するのを優先するか。どちらにしても良い点と悪い点があり、どちらを優先したらいいのか自分で判断するしかありません。他人に決めてもらうことも出来るでしょう。その方があとで負い目を感じず、楽にいられるからそちらを迷わず選ぶ人もいるでしょう。でもそれは、自分が出した「こたえ」になりませんよね。
 もちろん、わたしが全てのこたえを自分で出していると言い切る自信もありませんが。
 「こたえ」というのは、数学の問題から導かれるようにハッキリしたものもあれば、形が見えないうやむやなものもあると思います。
 「空へのこたえ」は、「こたえを出すこと」を中心に、そして自分の経験や想像も混ぜて書いたつもりです。
 実際、こんなに長々とあとがきを書いていて思います。
 これを読んだ皆さんの中で一人でも「わざとカッコよく書いているのだ」と勘違いしてしまう人がいたら、と。もちろんそんなつもりではありません。自分の手が、書きたいと頭の中で思ったことを、パソコンのキーボードを叩いて、文字としているだけですから。
 言い切ることもカッコいいし、けれどそういう強気な人ばかりが正しいとも限らない。「わざと書いたもの」と「事実」の違いは、文字を扱う人にとっては大きな違い。
 それを読者に上手に伝えることが出来れば、と考えながらこのような長々とした文章を打っています。
 もちろん、皆さんが満月ハルのこたえを全面的に信じて受け止めなくてもいいと思っています。こたえは、本作の登場人物たちのように自分でみつけてくださいね。
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