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なぁ、雫。
心から、愛してたよ。
なぁ、聞こえて、ますか――――…?

【誰もが誰かのために。】

俺が16のとき。初めて雫に会った。
名前のとおり、肌が白くて、透き通るような蒼の髪。
俺は、そんな雫に一目ぼれしてしまった。

出会いは雨の日。
4月の始業式のときに雫の存在を知った。
桜は雨で散っていた。

「久野宮クン?」
「…へ?」

今思えば、何て情けない声を出してたんだよ俺…

「あ…隣の席の…小宮雫です…」
「あぁ、よ…宜しく…。」

最初の印象は、「綺麗な子」そんな印象で、俺は恋に落ちた。
互いに挨拶した後、雫はにっこりと微笑んだ。
マジで…死ぬかと思った瞬間だった。

「くーのーちゃん!!」
どんッ!!

「…ってーな、何すんだ猿。」
「あー猿言うな!!」
「髪の毛切ってますます猿。」
「傷つくだろー?」

こいつは猿…いや、成田健。
1年のときから一緒で、いつの間にかつるんでた。
まぁ、俗に言う…親友だ。
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