▼羽根の折れた天使 第六羽
「天使なんです。」

「すみません、わけがわかりません。」


いきなり天使といわれても…普通の人は信じない。

僕も一般市民でありましてからに…何語だよ。


「えぇとですね…天界というものがありましてですね…?」


なんか天使と名乗った子供は天界について説明を始めた。

まぁいいか。

で、天使の話しによるとこういう話しらしい。


もともと天界では、死者の魂を集めて、49日を過ごし、転生の環の中に入るまでの休憩所のようなものなのだという。

天使は神様の命を受け、次に何に生まれ変わるかという判断を各自に通達し、今までの記憶を消すという仕事があるそうだ。

なんともまぁ…本当の話なのかは解らないけれども…

そこで、この天使は仕事に失敗して、天界の孔からここに堕ちてきたのだという。

なんとも、どじな天使だ。


「ん?天使には羽根があるんじゃないのか?」


僕は誰もが思うであろうことを訊いてみた。

しかし、天使の表情は曇ってしまった。


「雲の中を堕ちているときに…雷に打たれてしまったんです…」

「…え?」

2006/8/18(Fri) 11:57
スポンサード リンク