▼羽根の折れた天使 第七羽
「雷に…?」「はい…」
なんとも…まぁ…。
僕は訊いてはいけないことを訊いてしまったような気がして、俯く。
天使はそんな僕に気を使ったのか慌てて弁解をしてきた。
「あぁでも!僕は天使なので大丈夫です!!数日もすれば完全に治りますし、本来の姿にも戻れます!!」
「そうなんだ…………………………ん?本来の姿…って?」
「あ、えと…今の姿はその…仮の姿と申しますか…人間界での姿でして…
その、あの…本来はもっと大きくて…なんていえばいいのでしょうか…。」
「…っぷ」
必死で言葉を探している天使に、僕はおかしくなって、僕は噴出していた。
天使は起こったような、恥ずかしいような表情で頬を染めて言う。
「な、なんで笑うのですか…っ///」
「何でってお前…必死すぎて面白い」
「な――――…っ///」
なんか、もう…なんでも良いや。
とりあえずこいつは天使で、天界ってとこから僕のところに堕ちてきた。
ただ、それだけの話だ。
「じゃぁ…治るまで此処にいろよ」
「え?」
「どうせすぐには帰れないんだろう?だったらさ、僕んとこにいろよ。
ちょうど夏休みだし、僕はいつも暇してるしさ。な?」
「で、ですが…っ」
「いいから…はい、けってぇ」
「えぇ〜?!」
多少強引だけど…いいよな?別に…。
「ところでさ、お前…名前は?」
2006/9/1(Fri) 13:48