▼羽根の折れた天使 第八羽
「Vの623です」

「わんもあぷりぃず?」


名前を聞いたらいきなりアレだ。

なんだよその番号は…。


「ですから、Vの623です。」

「それが名前…なのか?」

「えぇ。天使には本来名前というものはありませんから生まれた順番に決まっていきます。
それに、番号の早い方が優秀です。」

て、ことはあれだ…Vの623…ものすごく出来が悪いってわけだ。

でもさ…

「番号なんて、関係ねぇじゃんよ。」

「―――…そう、ですね。」

「よし、じゃぁ今日からお前はクゥな。」

「クゥ…?」

「そう。クゥ」


別に深い意味は無いけど…なんとなく…。

僕が笑顔で言ってやると、クゥは何度も名前を繰り返していた。

そんな姿が可愛いと思って、思わず笑みがこぼれた。


2006/9/1(Fri) 13:50
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