▼羽根の折れた天使 第十六羽
目が覚めるとそこはいつもと同じ風景
ベッドの上
あれ…何してたんだっけ?
あぁ確か…夏休み…
そうだ、夏休みの宿題終わらせなくちゃ
もうすぐ夏休みは終わりだ
でも、この夏休み…いったい何をして過ごしていたのか思い出せない
とうとうボケたかな?
そんなこと考えながらズリ落ちそうになる寝巻きにしているジャージのズボンを上げる
「あ…れ?」
頬に水滴が伝う
泣いてるのだと気付く
でもどうして泣いているのか…思い出せない
どうしても……思い出すことは、できない
何か怖い夢でも見たのかと思うけれど、そんなこともない
普通に寝て…普通に起きた
それだけ
それだけのはず何のに――――――
でも
僕の部屋にある少し焦げ付いた…しかし、純白の羽根と…
チョコの包み紙がどうしてここになるのか…
僕は、知らない
2007/4/8(Sun) 20:36