▼うれしいこと A joy is given me by you
 明日はとうとう浜田の誕生日だ。結局今日も気付いていない。それにしても月曜という日はなぜか皆疲れている。休みを二日挟んで、いや勿論俺達のように二日間とも部活があったというところもあるだろうが、それでも普通に学校に来ている日だって毎日部活があっているのだが、疲れは月曜ほどではない。

 そして死にそうに疲れているヤツがここにも一人。昨日は夜遅くまで今日提出のノートを仕上げていたらしく、目がげっそりとやつれている。だがそんな浜田に気を使うこともせず、田島が横で話しかけてくるものだから寝るに寝れないと言った状況である。

 「田島ぁ。頼むから寝かせてくれよ〜」
「駄目、せっかく三又大根の話してんだから聞けよ」
「そんな話しなくていい〜」

 三又大根の話で寝れないなんてなんて可哀想なやつなんだろう。だが別に助けてやる気などはひとかけらもないので気にしない。

 そのまま鶏の話になろうとしていたとき、三橋が七組から帰ってきた。田島の横にくると田島の話を中断させた。

 「田島く・・・。花井くん、が呼んで、るよ」
「まじで!?」

 意気揚々と七組出かけていく田島と、いそいそとついていく三橋。そして台風が去ったことに安堵し早速寝ようとしている浜田。

 「泉」
「あ?」

 浜田の呼びかけにおざなりに返事を返すと、浜田が泉の手を引っ張った。手を握って何をするのかと思えば、握ったまま寝てしまった。

 なにやってるんだよこの野郎。それにしても、こいつの手、冷てえな。仕方ねえ。授業が始まるまでこうしといて温めてやるか。





2006.12.18
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