▼あなたを待つ時間
 今日はクリスマスイブ、と言っても連日部活漬けの俺には余り関係がない。浜田がどこかに行こうと誘ってきたが、部活後の疲れた体で外に出かけるのは正直きつい。だから悪いと思いながらも浜田の誘いを断った。浜田はそっかとまだ未練の残った表情で話題を変えた。

 我ながら酷いやつだよな。恋人と一緒にクリスマスを過ごしてやらないなんてさ。泉は家のソファでごろごろしながらそう思った。でもまあ明日どうせ学校で会うんだし。同じクラスにいて同じ時間を過ごしているんだから、一緒に過ごしたことになるんじゃねえか?

 「ならねえよな・・・」

 ぽつりと呟く。幸い誰にも聞かれずにすんだらしく、追求はされなかった。それにしてもこんなにぐじぐじと悩むんなら、無理してでも行けばよかったんだ。後悔後先に立たず、そんな言葉が俺の頭に浮かんだ。

 その時、電話が鳴った。俺は浜田かと思い素早く電話を取る。受話器を耳に当てると、母の友達だった。期待したのがバカみたいだ。より一層虚しい気分が高まる。もう今日は何をする気にもなれない。まだ夜には時間がある。俺は青空を睨んだ。

 ぼんやりとしているとだんだん眠くなってきた。うとうととクッションにもたれかかっていると、また電話のコール音が響いた。最早出る気が起きずそのまま放置していると母が電話に出た。そして会話を始めたから、きっとまた母の友人だろうと思いそのまま寝ようとする。すると母が受話器を渡してきた。俺が寝ぼけているのを見ると、母は電話をかけてきたヤツの名を俺に教える。

 『あっ、泉?俺、浜田』
「何の用だよ」
『用っていうかさ、今日会えなかったからせめて声だけでもって思って』
「あっそ」

 会いに来るとかそういう行動が出来ないのがこの男の悲しいところだ。勿論会いに来てくれなんて思っていないが。だがそれにしても電話とは情けなさ過ぎて泣ける。

 『なあ泉』
「何だよ」
『今からそっちにいってもいい?』
「はあ!?」

 たったいまそれが出来なくて情けない男だと思っていたのに、この発言は何だ。浜田の珍しい積極さに驚いていると、それを拒否として受け取ったのか浜田が必死に懇願する。

 『すぐ帰るから!泉の顔見てメリークリスマスって言ったら帰るから』
「・・・・・・」

 やっぱり情けない。俺が呆れて何も言わずにいると浜田は受話器の前で土下座でもしているんじゃないかと思うくらいお願いしまくっていた。

 「別にいいけど」

 そう俺がいうと浜田はすごく嬉しそうな声でありがとうと言って電話を切った。俺は待ちきれずにまだ浜田来るまでに大分かかるだろうと思われる玄関まで走っていった。

 勿論浜田はまだ来ていなかったが、それでも待っている時間すら浜田といるようだった。

 浜田が来たらなんて言ってやろう。
待ってた、いや違う。会いたかった、気持ち悪い。

 遅いぞ、そう、それが妥当。





 いみわからーん!!なんだろう、ハマイズはほのぼのを目指して毎回玉砕しているような気がします。だって難しいよハマイズ。泉と浜田っていつもどんな会話してるんだ!イブって何するんだろう。でもクリスマス月曜だし、学校は・・・。ってないのかもう。休みですかそうですか。うっかり明日学校って設定にしちゃったよ。まあいいや埼玉は明日も学校ということで。あ、補習とかどう?(知るか)

2006.12.24
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