▼君がいるだけで、未来は花開くように
浜田の暗い過去捏造です。
捏造がお好きでない方はUターンしてください!




 今日、久しぶりに学校へ行った。といっても、別に自分でそうしたいと思って行ったわけではなくて、学校側に呼び出されたのだ。
 用件はうすうす予想してた通り、進級についてのこちら側の意思の確認だった。ひとまずご両親と話し合って決めてきなさい、と言われたが、話し合うも何も俺の意思が決まっていないので、このままでは話にならないだろう。

 最近まったく通ることのなかった帰り道を歩きながら、さすがに調子に乗りすぎてたか、と今更ながら高校に入ってからの一年間を思い出して後悔する。このままいくと、普通に考えて俺は留年だ。留年は・・・、ちょっと、な・・・。そうなるくらいだったら転校するか、もしくは学校を辞めて働くか、どっちかの方がよっぽどいいんじゃねえか?

 「あれ?ハマちゃん?ハマちゃんじゃない!」
 そんなことを考えながら歩いていると、後ろから近頃あまり会わなくなっていた人の声が聞こえた。
 振り返ると、そこにはやっぱり泉のおばさんがいた。
「あ、泉のおばちゃん。こんにちは」
「こんにちは。お久しぶりね〜」
「本当ですね」
 この頃は泉の家に行くことが全然なくなっていたから、会う機会もなかったのだ。泉のおばちゃんは買い物帰りらしく、少し重そうなスーパーの袋を二つ抱えている。
「荷物、家まで持ちましょうか」
「え、あら、いいのよ。別に」
「いや、どうせ帰る方向は一緒なんで」
 俺の家は泉に家よりも少しここから遠い位置にある。だから、泉の家は通り道でもあるのだ。そう言うと、おばさんは俺の言葉に甘えることにしたらしく袋を渡してきた。俺が持っても少し重いのだから、おばさんには結構重かっただろう。

 おばさんと俺は、泉の家の前に着くまで適当な世間話をした。泉の家に着くと、おばさんは俺から荷物を受け取って、思い出したようにこう言った。
「そういえば、うちの孝介今年受験なんだけどね、西浦を受けるっていうのよ。やっぱり、ハマちゃんが行ってるからかしらね。あの子、ハマちゃんにとても懐いてたもの」
 その言葉を聞いたとき、俺はとても驚いた。最近会わないとは言っても、泉のことはよく覚えている。小さい頃から一緒に遊んできて、中学では野球部で先輩後輩になった。でも、部活で無理をしすぎた結果、俺は野球を止めざるを得ない状況になってしまった。その時、誰よりも俺よりも悔しそうな顔をしていたのが泉だ。

 あの時の泉の表情は、今でも鮮明に覚えている。悔しさの中に、悲しみや怒りが混ざったあの表情を。泉はきっと、俺が何も言わなかったことが気に入らなかったのだろう。それからずっと、口を利いてもらえなかった。
 だから、泉が西浦に来るなんて思いもしなかった。だって、確かあそこには軟式野球部しかないはずだ。そんな学校に、泉は何をしにくるんだ。
 俺を、追ってくるのか・・・?
急に落ち着かない気持ちになってきた。あの時の泉の目が、黙って今の俺を見ている。堕落して、駄目になっている上に、また逃げようとしている俺を。
 泉はどうして、西浦に来ようと思ったのか。
それが知りたいと思った。

 西浦に行くことになったら、よろしくね、という言葉にコクコクと何度も頷いて、それから泉の家の前を後にした。
 家へ向かう足取りが自然と速くなる。でも、仕方ない。俺は転校も、就職もしない。自分のしたことから逃げずに、正面から向き合おうと決意した。だから、早く帰って両親にまず、これまでの悪行を詫びて、頼まなければならない。もう一度、チャンスをくれと。留年させて欲しいと。

 君にまた会える四月を楽しみにしているから。





 ・・・ニセ浜田(ボソッ)。てか、ハマイズじゃねええ!泉が出てきてないよ。イズの部分がないよ!すみません、前日記でちょろっと書いたあのネタを文章にしました。
なんか、浜田目線の空白の一年間話多いですね。無意識に好きなのかもしれません。
とりあえず、浜田が何個かある選択肢の中の一つから留年っていうのを選んだのは、泉が理由だといいと思っただけです。
 明日はチカナリのターン、明後日はヘタリアのターンなのでハマイズは少しお休みです。でもトリはハマイズだしね。もっとネタ考えなきゃ!
なんかゆるい感じのハマイズ書きたいです。ゆるくてちゃんとオチがあるやつを(泣)

 では、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!

2008.06.03
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