造花のデザイン2

カラーと花の色名


造花デザインの最重要ポイントは色といえるほど、カラーそのものがデザインコンセプトとして成り立つくらい、色は重要な要素となります。


私もオータムカラーやジュエリーカラーなど、造花のカラーにテーマをもたせ、シリーズものとしてデザインすることがあります。

こうしたカラーで季節感やデザインコンセプトを表現している造花は、それを使う人にとっても、ちょっと個性的で、統一感のある作品が作れたりしますから、商業施設の花装飾や、ディスプレイ、講習会の花材などにも向いています。

生花の花の色も本当に美しく、古来より、日本でも花の色が色名に使われています。


桜色、撫子色、紅梅色、牡丹色、桃花色、躑躅(つつじ)色、菜の花色、山吹色、花色、桔梗色、藤色、紫

苑(しおん)色、すみれ色、杜若(かきつばた)色、菖蒲色、竜胆色など、想像するだけでも美しい色が浮かんできます。


みなさんは、花色というとどんな色を思い浮かべますか?


この花色、ピンクや赤などではなく、露草の青い色のことをいうのですが、露草を白衣に摺り付けると花の色の青に染まったことから、「花色」と呼ばれるようになりました。


なんとも、風情のある美しい色名だと思います。


ヨーロッパの色名にも、ローズレッド、ポピーレッド、ミモザ、マリーゴールド、オーキッド、ウィスタリア、マロウ、ヘリオトロープ、ピアニー、ラベンダー、ライラック、パンジーなど花の名前がついた色名が多くあります。


昔の人は、季節や自然に咲く花を身近に感じ、花の名を色の名前に取り入れたのですね。


みなさんは、どんな色がお好きですか?


私の好きな色は、自然に咲く花の色、宝石の色、刺繍糸の美しい色、そして造花の美しい花の色でしょうか。あざやかな彩り、美しいきらめきと光沢、透明感、そして柔らかさをもつ色が好きです。


私は、造花の美しさは色あざやかさにつながると考えています。
2010/5/30(日) 16:15
造花のデザイン1


造花のデザイン例の一つとして、ジュエリーカラーの造花をご紹介します。

このジュエリーフラワーは、造花に「宝石のような花」というテーマをもたせ、シリーズものとしてデザインしました。


私が、このシリーズを作ろうと思ったきっかけは、薄手の素材をつかって美しい色の造花がつくりたかったこと、誕生石や宝石の美しい色を造花にあてはめてみたいと思ったことからでした。


以下がジュエリーフラワーの説明文です。


〜 宝石の輝き ジュエリーフラワー 〜

天然石・プラチナ・パール等、きらめくジュエリーの要素を各部に取り入れ、宝石の輝き・透明感を表したシリーズ。美しく済んだジュエリーカラーが華やかな雰囲気を伝えます。
TEXTURE

薄く透け感のあるオーガンジー素材を使用し、ジュエリーアクセサリーに使われるプラチナの質感を、グリッ

ター塗布により表現しました。その他、パールビーズの使用も当シリーズの特長のひとつ


COLOR

ジュエリーカラーによる構成。プラチナカラーもアクセントとして使われています。



ジュエリーフラワーは、プラチナローズ、パールローズ、プラチナリリーの3アイテムにより構成されています。

カラーは、@パール、Aピンクパール、Bピンクトルマリン、Cシトリン、Dぺリドット、Eタンザナイト、Fダイヤモンドの7色です。

グリッター(銀粉)が、花芯や花びらににつけてあるので、きらきらと輝きのある造花たちです。

パールローズでは、パールを一粒、がくに包んで小さなつぼみにしてあります。


ジュエリーフラワーは、ナチュラルテイストをベースに、アートテイストも加えたシリーズです。




2010/5/30(日) 15:26
造花の用途
造花の用途


写真は、ニースの花市場で売られていた造花の花飾りです。

ニースの花市場には、生花の花束やブーケのほか、写真のような造花のアレンジメントも並んでいました。


この花市場では、花材をバスケットなどにデザインしたアレンジメントは、生花よりも、造花やドライフラワー、プリザーブドフラワーを使用したものが多くありました。


市場の生花(切花)は鮮度がいいうちに売れていくし、買った人が自分で花びんにいけたり、アレンジメントの花材として使う人もいるでしょうから、以外と花束に束ねただけの商品や、少しお洒落な感じに組んだブーケが多いのです。

写真の商品は、ラッピングペーパーとバラや小花の造花を使ってデザインしてあります。

こうした造花のアレンジメントは、前もって作りおきができ、保存性もよく、持ち運びしやすいため、生花店も目的や用途によって、造花を利用しています。特に、切花のしおれやすい盛夏は、グリーンの鉢植えや造花(シルクフラワー)が店頭に並ぶことが多くなるようです。

造花には、枯れない、水やりと管理不用、いつまでもきれいな花が楽しめる、保存性がよい、持ち運びしやすいという特長がありますが、この特長を生かした用途を下記に挙げてみます。

○ディスプレイ、ショーケースや店舗装飾

(ディスプレイ、店舗装飾においては、人の手の届きにくい、高い位置に飾る場合ほど、水やり不用という、造花の特長が生きてきます。)

○いつまでもきれいな造花を永く楽しんでもらうことを目的に作られた商品=造花の切花、花束、コサージュ、ブーケ、アレンジメント、ギフト対応商品等

○保存性の良さから、造花が記念の品となる場合=ブライダルブーケ、お祝いや記念日のギフト、プレゼント、おみやげなど

○枯れずに持ち運びが楽な点から、ブライダルブーケやヘッドドレス、ブートニア、パーティー用コサージュ、ギフトボックスに添える花飾り等

などがあります。


造花は、フラワーアレンジメントの花材として使われることが多いですが、花かご屋さんなどを訪れると、アートフラワーをいけばなや茶花の花材として花かごにいけてあったりします。

花かごにいけた造花には、商品ディスプレイと店舗装飾という二つの役割がありますが、造花なら、大切な商品や店内に水をこぼすことはありません。

パソコンの近くなど水ぬれをきらう場所などにも、フラワーアレンジメントを置くなら造花をおすすめします。


夏場は、花がすぐしおれて持ちませんから、花展や駅などに置いてあるショーケースに生け花を飾るときにも、造花は用いられています。

こうした造花の特長をいかして、様々な用途に造花が使われています。


2010/5/30(日) 14:30
スポンサード リンク