2009/2/4(Wed)


 ちょうど2年前の今頃・・・

 昼食を家族三人でカレーを頂き、食後はいつものように、牛にならぬ程度に横になりました。

 気が付くと息子はすでに すぐ表にある工場に出て車をつついて作業をしているようです。

 私の家内はどこかに出掛けたのか姿がみえません。

 
 その時、頭の中が急に“ふっ”と軽くなる感じがしました。最近続いていた疲れた身体が嘘のように楽になっていきます。

 “よしッ!”そろそろ仕事を始めようかと立ち上がりかけました。でも何かが違っています。

 身体が“ゆらッ”としたのが分かりました。   もしかして、「脳梗塞?」 「まさか」 「自分に限って」 「きっとすぐ治る」

 頭の中を都合の良い言葉が駆け巡ります。耳の異変に気が付きました。手のひらで耳を触ると、右側の耳はシャラシャラと

 いつもの私の耳です。でも、左側を同じように触っても、音が丸く聞こえるだけで、少しずつ遠くなっていくのがわかります。

 携帯で天気予報の女性の声を聞くと、少しだけしかきこえません。


 ここではっきりと、今、自分が置かれている立場を理解しました。「このままでは死ぬかもしれない」

 家の中には自分一人しかいない。もし脳の血管が切れていたら、このままではいけない・・・


 携帯を取り、表に居るはずの息子に電話を掛ける。

 “ちょっと入って来てくれ、身体の様子がおかしいい” “頭の血管が切れたかもしれん。救急車を呼んでくれ”

 “救急車の人には、福山の大田病院に行くように伝えてくれ” “無理だと言われたら、市民病院に運んでくれ”


 暫らくして、救急車の音が・・・


 車の中では、吐き気が始まった。必死でこらえるも、市民病院に着くまではもたなかった。  げろげろげ〜





 点滴が2本終わった所で、“これで家に帰れる”と思った。担当の医師が、“症状からみて、、おそらく突発性難聴だと思います。

入院の手続きをしましょうか?”と、聞いてくれたので、、、

起きようと思っても体が言う事を利きません。体がグラッとして、まともに立ち上げれないんです。

うわっ〜と目が回って、座ることもできません。頭を少しでも動かすと、すぐにゲロゲロ・・・頭が痛い、目が回る。


 これから、2週間の入院生活のはじまりです。

 
毎日毎日、朝に夕方に点滴、点滴の繰り返しです。3日間、頭を横に向ける事が出来ませんでした。

3日を少し過ぎた頃から、少しずつ少しずつ頭を回しはじめました。少しでも余計に回すと、五分間くらい目まいが止まりませんで

した。

それでも繰り返し繰り返し続け、10分ほど掛けてようやく90度ほど頭が回るようになりました。

ベットの横に立ち上がれたのは、丁度一週間目でした。すぐにベットに倒れてしまいましたが、嬉しかったです。

点滴のステロイドの副作用か、この頃より吐き気がひどくなりました。顔には吹き出物が沢山出来るようになりました。


   トイレが悩みの種でした。上を向いたままの状態ではオシッコをする事はできませんでした。看護士さんにチューブで採って

もらってました。4,5日目からやっと出るようになり、楽になったのを覚えています。




   前回、この日記を付けて、はや一年近くがすぎました・・・




  そんな、こんなで、、、病気からもうすぐ三年が過ぎようとしていますが、耳は良くはなりませんでした。反対に、右の耳にも

耳鳴りが聞こえ始め、案外、左右のバランスを取っているのでしょうか・・