嫌な感じ・・・ 何だか、 ドキドキしてきたなぁ。 坂本くんと 三宅に後押しされたのはいいのだが・・・ 一体俺は、 あいつに何て言えばいいのか まったく解らないでいた。 「はぁ・・・。 ・・・?」 中から、 少し笑っている声がした。 「誰かいるのか?」 呟き加減で言った。 音が漏れないように、 ドアをそっと開けた・・・ するとそこには、 あの時に怒鳴っていた剛と一緒にいた。 「くそぉ・・・ 何で剛と一緒なんだよ。」 っと、再び呟く・・・。 っとその時、 俺の後ろに長野くんがいた事を気付かないでいた。 知らない俺に、 小声で言ってきた。 「どしたの?」 「・・? うわぁ!!」 しくじった、 大きい声出してしまったではないか!! 案の定、 テレビを消して剛が出て来た。 「何だよ。   話も何もしたくなかったのかよ!? えぇ!?」 剛のやつ、 すんごいおぼえてやがるじゃないかよ。 まるで、 まだ怒っているんだぞって 言っているみたいだった。 快「何・・・ してるかと思って見に来ただけだよ。」 博「ほんとに?」 快「ほんとに決まってるだろ!」 剛「岡田と話すなら、止めろ。」 快「・・・。」 話しちゃ駄目なんだ・・・。 俺、 それだけ傷つけたってコトだよな。 俺は、 少しばかり岡田に声をかけようとした。 快「あのさ・・・。」 剛と長野は、 阻止した。 そして・・・ 会わせないように、 井ノ原を切り離していく・・・。 扉は閉まった・・・・・ 快「近くの公園で待ってる。    岡田が来るまでずっと待ってるから。」 准「・・・。」 剛「行くなよ。」 准「・・・。」 快「それじゃあ。」 そう言って、 俺は近くの公園にへと行った。 何時間経ったろう・・・ 俺は、 公園のベンチで 座って待っていた。 何だか一日が長く感じる。 ふと時計を見ると、 夜の10時になっていた。 “なげぇもんだよなぁ”って 想いながら・・・。 そのとき、 動きがあった。 俺は、 知らないでいた。 坂「こんばんはぁ。」 准「はい。」 トントン と、 扉を叩く坂本。 寒がっている三宅を見ながら、 少々ドキドキしていた。 扉が開くと・・・? 岡田は少し目が腫れていた、 そこに、 長野と森田を見つけた。 坂「二人して、来てたのか。」 准「うん・・・。」 健「相変わらず毎日?」 准「・・・。」 健「やっぱり。」 坂「ちょっと外で話さないか?」 剛「何だって?」 聞こえなかった剛が、 こっちにやってきた。 准「・・・。」 剛「岡田に何吹き込んだ?」 坂「井ノ原に   事情を全て話した。」 剛・准・長「・・・。」 坂「井ノ原は動じなかった。」 剛・准・長「・・・。」 健「でも、進展はあったんだよね。」 剛「公園のベンチで待ってるんでしょ?」 長「行かさないから。」 健「二人はそう言うって坂本くん言ってた。」 剛・長「・・・。」 健「イノッチ、    岡田以上に落ち込んでるの   剛だって、長野クンだって人事だと思ってる。」 剛・長「・・・。」 健「岡田は、イノッチの気持ちわかってるから     それ以上に辛い。    だから、一番に坂本くんに言いに来たじゃん?」 准「・・・。」 健「イノッチ・・・    ずーっと待たせるの?」 剛「行かせないし、話もない。」 博「今更何だって言うんだよ。    傷つけたの、あっちだろ?」 健「二人の話は聞いてない。    岡田に言ってるんだよ。 答えろよ!」 長・剛「・・・。」 坂「行くのか? 行かないのか?」 准「・・・。」 健「イノッチ、待ってるんだよ?」 准「話したくない。」 健・坂・博・剛「・・・。」 准「今は・・・ 一人にさせて・・・。」 坂「それが、岡田の答えだな?」 准「・・うん・・・。」 坂「また・・・ 井ノ原のやつ・・・    風邪引いてしまうんだろうな・・・。」 准「・・・。」 坂「あの時の酔っ払いも、    岡田がいたから井ノ原は安心してた。」 准「・・・。」 坂「覚えてなくとも、おまえはぐいぐい    井ノ原を引っ張って家まで連れて帰った。」 准「・・・。」 坂「その時のあいつ、    すっげぇニヤニヤしていてよ・・・。」 健「バカじゃん? って思ったけど、    意外と二人してイケてたしね。」 准「///」 坂「長野達にわからなくとも、    岡田はどこかで井ノ原と   繋がりがある事を俺はわかっている。」 准「・・・。」 健「判断は岡田だから、二人が決める事じゃない。」 准「・・・。」 さみぃ・・・。 やっぱり来ないかなぁ・・・。 少しずつ、 震えだしてきた。 ちゃんと服、 着込んでくるんだった。 虚しい声など、 届くはずもなく・・・。 俺はただただ・・・ あいつを待ち続けた。 准「一人にさせて・・・。   もう・・・ 皆帰って・・・。」 また 泣きそうになっている岡田がいた。 剛「帰らないからな。」 博「岡田は俺が守る。」 健「・・・。 また言ってるし。」 坂「一人でいたいって   岡田が言っていてもか?」 剛「そりゃそうでしょ。」 博「放っておけない。」 坂「・・・。 心配なのもわかるが・・・    少しは岡田の事を聞いてやったらどうなんだ?」 博「毎日毎日、泣いてる岡田を見捨てろってコト?」 健「二人がいると、余計に泣けてくるからなんじゃないの?」 剛・博「・・・。」 准「健くん・・・。」 健「見捨てろとは言ってないけど、    一人で泣くのと二人がそこにいて泣くのとは違うから。」 准「・・・。」 健「それ以上に心配なのもわかるけど、    結果を出すのは剛たちじゃなくって岡田だって思うし。」 博・剛「・・・。」 健「一人でいれば    結果論も見出せるし。」 坂「井ノ原の場合は?」 健「・・・。    整理ついてないのに、話すなんて・・・。」 坂・博・剛「・・・。」 准「話す資格ない。」 坂・健・長・剛「・・・。」 准「何・・・ 考えてるか・・・ もうわからない・・・。」 剛「岡田・・・。    ほら、俺の元へ来い。」 准「・・・。 剛くん・・・。」 っと その時だった。 何で来ないんだよ〜!! そんなに俺・・ おまえを傷つけたかよ〜!! 何で来ないんだよ〜!! そんなに俺が悪いのかよ〜!! 何で〜!! えっ・・・(泣) 准「・・・(泣)」 博「一人でいちゃ駄目だ。」 准「・・・(泣)」 健「イノッチ・・・    泣いちゃった・・・。 (泣)」 剛「家の中・・・ 入ろう?」 准「・・・(泣)」 坂「告白の相談相手が、   そんなコトして閉じ込めてたら    もう井ノ原とは会えなくなるぞ?」 健「イノッチに会えなくなるの?」 坂「岡田に言ってるんだよ^−^;」 健「びっくりしたぁ。」 坂「すまん。 そうやっていつまでも泣いているのだったら    一生この二人に面倒見てもらっていればいい。   でもな? 恋するその人を見失うと、その人に似た人は    二度と現れない。 だからこそ、今岡田自身が決めるんだ。」 准「・・・。」 博「かわいそうなのは、岡田だろ?」 坂「だから言ってるんだ。」 准「・・・。」 剛「もう、入ろう。」 准「ごめんね、坂本くん・・・。」 健「岡田・・・。」 暗い影が、 岡田の手を取り・・・ ギュッと引っ張った。 三宅は気付いてしまった。 快「健ちゃん、ごめん。」 健「え?」 ?!!? 准「いやっ!!」 博「岡田?」 健「・・・。 痺れ切らした、イノッチが。」 坂「・・・。 あいつ、連れ出しやがった。」 博「ふざけるな!! 待て!!」 剛「岡田、助けてやるからな!!」 健「まだ追いかけるのかよ!!」 准「痛い! 離して!! イヤだ!!」 快「うるせぇ!!」 准「・・離して!! イノッチの事忘れたいんだよ。」 快「・・・。」 公園まで連れ出してきた井ノ原だったが・・・ 遂に力尽きてしまった・・・。 岡田の言葉で、 すとんと 力が抜けてしまい・・・。 岡田の目の前で その場に倒れてしまった。 寒さと、言葉と・・・ 苦しみに悶えた井ノ原が・・・ 草原の上で・・・・・ 駆けつけた長野と森田が、 岡田を連れ出そうとした時だった。 准「イノッチ!!」 二人の手を離し、 井ノ原の元へかけより・・・ 冷たい身体を少し持ち上げた。 准「起きて!! イノッチ!!」 反応がない・・・。 准「イノッチ、起きて!!    ここ、寝場所じゃないよ?」 目を瞑ったまま、 まったく反応がなく・・・ 岡田は、 身体を揺すり始めた。 准「イノッチ!! 起きて!!    起きて!! イノッチ!!っ・・・」 快「ん・・・」 二人のぬくもりが 一瞬くっついた。 准「/// イノッチ!! 起きて!!」 それから井ノ原は目覚める事はなかった。 朝・・・ 快「ん・・・ 何か・・・ あったかい・・・。」 天井を見渡すと、 いつも見る風景とは違っていた。 モノトーンで、 まるであいつの家の中のようだった。 隣を見ると、 確信が持てた。 すやすやと横で あいつが寝ていた。 目を晴らした君が・・・。 俺は、 愛しくって その目にキスをした。 太陽の光に照らされた 君の顔は とても穏やかだった。 っと、 その時涙が流れ出た。 「泣いてるのか?」 君の腫れぼったい目から 涙が一つ二つと流れてきた。 相当悩んでいたのが わかった。 俺は、 君を僕のところに抱き寄せ・・・ 君が起きるまで 俺は目を瞑った。 っと、その時だった。 剛「こいつ起きてる。    つまみ出して、長野くん!!」 博「ラジャー!!」 そう言って、 井ノ原を岡田から離していた時だった。 隙間から少し風が入ってきて、 ぶるぶる震えだし 岡田が起きてしまった。 准「イノッチ!!! 起きて!!!」 そう言って、 井ノ原の重みが少し増えた事に 違和感を感じた長野が見てみると・・・? 岡田が引っ張っていたのが わかった。 少し怒りを覚えた長野は、 岡田に言った。 博「准!! 井ノ原は連れて帰るから、離しなさい。」 准「・・・。 起きてないのに、どうして?」 博「嘘寝をしてるんだよ。 だからだ。」 そう言って、 もう一回引っ張ろうとしたその時、、、 快「嘘寝はしてるけど、岡田の目の温度はあったかいぜ。」 ?!!? 准「///」 微かな触れ具合を覚えていた岡田は、 更にドキドキし始めた。 井ノ原は更に続けた。 快「岡田が助けてくれたんだろ? 俺の事・・・。」 准「・・・。」 快「ありがとな。」 准「・・・。」 快「もう・・・ 泣かさないから。」 准「・・・。」 快「元気になったし、帰る。」 剛「早く帰れよ。」 快「言われなくても帰るよ。」 博「目障りなんだよ。」 快「相変わらず、そんな言い方しか出来ないんだな。」 准「イノッチの事・・・ わすれ・・・ ///」 岡田の手の甲に キスをした。 そして・・・ 快「また、    話せる日が来たら話してくれ。」 准「・・・。」 快「一人で帰れるから、岡田心配してやれよ。 んじゃ。」 そう言って 寝室から出て行った。 唖然としていた二人を差し置いて、 岡田は井ノ原の元へと行く。 准「イノッチ!!」 快「何?」 准「忘れ物。」 快「忘れ物?」 /// その・・・ 君のぬくもりだ。 今は駄目だと思っていたぬくもりが、 今度はピタッとくっついていた。 こんなんじゃ納得いかなくって、 俺は 激しく求めた。 君も仕返してきた。 過激なやつだな。 クチュクチュと 音を立ててキスをする俺と岡田は、 少しだけ幸せに溢れていたのだった。 ちゃんといつか・・・ 君と話せる日が来ればいいと そう願う・・・。            〜end〜 「足跡 3」 主演 井ノ原快彦 岡田准一 坂本昌行 三宅健 森田剛 長野博 あとがき 無事、 完結ヘンです。 意外と大変でしたね。 その中で、 繰り広げられる 色んな話がありましたが・・・。 どう映ったでしょうか? まぁ・・・ うまくかけたのでは? っとは 思いますです。 これからも、 どんどん話を発掘していきます。 ので、 これからも よろしくおねがいします。 でわ(~o~)