「見て見て!虹が架ってる!」
ついさっきまで煩い位にばしゃばしゃと降っていた大粒の雨。

部屋の窓から音がしなくなったのに気付いた綱吉が外をガラス越しに覗くと
そこには七色に輝く橋が大きく空に架けられていた。

「綺麗ですね。ですが君、ちょっとはしゃぎすぎじゃありませんか?」

綱吉の隣に立った骸が言うと
綱吉は虹に見入ったまま
そうそうこんな綺麗な虹見れるもんじゃないんだから、と返し
暫く瞳を七色に染めていた。

「・・・なんて綺麗なんでしょうね。」
「でしょ?俺、小さい頃虹が好きでさ。」
懐かしがるように目を軽く細めて綱吉が言う。

「クフフ、違いますよ。」
虹なんかよりも、ずっとずっと
(なんて綺麗な瞳)
奪いたくなるような。

「もう君は僕のものなのに、おかしな感情ですね。」
「、え?なんか言っ・・・?」
骸の方を振り向こうとしたら
急に、綺麗な指が綱吉の視界を覆った。

「どうしたの?」
「君の瞳が、あまりにも綺麗だったので。」


つい、僕の手で閉じ込めてみたくなったんです。

                                      *瞳を奪う*


結構コンパクトにまとまった小説でした(笑)
ほのぼのを目指して頑張った・・・つもりです。
ムクツナのほのぼの書いたのこれがお初かもしれない。
変態かシリアスかの2種しか書いていなかったという←
というかこれお題クリアしてますかね?
一般的な意味の「瞳を奪う」とは捉え方が違うような気がしますが、スルーの方向でb
2008.3.3 純白華