造花のアレンジメント
造花のアレンジメント


左の写真は、フランスのホテルの花装飾ですね。このアレンジメントの花材にも造花が使われています。

このアレンジメント、垣根風に支柱を作ったところへポイントにアマリリスの造花を配しています。

デザインの構成上、一見、安定感のある左右対称(シンメトリー)なのですが、部分により左右非対称(アシンメトリー)にもなっていて、よく見ると細かい工夫のある作品です。

垣根に配したアマリリスは、3段構成になっていますが、上から2段目までは左右対称(シンメトリー)で、最下段のアマリリスと葉物は、中央より右よりに比重をおいた左右非対称(アシンメトリー)になっています。

支柱のアマリリスを配していない部分には、空間ができますから、そこに余白の美が生まれます。余白の美は、日本の浮世絵、着物の絵柄や生け花などにもよく表されていますが、その作品の構成上に取った空間の美しさのことをいいますね。


浮世絵などの、大胆に大きく取った空間の美しさに魅了される人も多いのではないでしょうか。


浮世絵や着物、生け花などの日本文化は、フランスやドイツなど、ヨーロッパの芸術文化にも影響をあたえていますね。



この写真のアレンジメントは、大胆に突出して目立つところはありませんが、構成上、シンメトリー、アシンメトリー、空間という特徴を併せもつバランスのよいデザインです。


また、花や葉の入れ方を見ていくと、後方から見ても美しいように、アマリリスや葉物の向きも後方に表が出るように入れてある箇所もあります。


このアレンジの様なデザインは、垣根やスクリーンと呼ばれていて、空間や壁面を大きく埋めるのに適したデザインです。比較的、少ない花材でも大きな空間が作れ、おしゃれなアレンジメントができますから、ホテルや店舗の装飾にも向いています。



2010/5/30(日) 17:40
造花工場
造花は、中国の工場でたくさん量産されています。シルクフラワーは広東省の深圳(しんせん)や珠海、中山で生産されることが多く、ハンドメイドのアートフラワーは広東省か北方の地域で多く生産されています。

深圳市(しんせんし)は広東省にある経済特区で、香港の新界と隣りあっていて、香港経由で海外の港へ造花を輸出することができます。

造花商品のショールームは中国工場内の他、香港などにも設置されていますが、香港には造花の貿易商社があって、造花輸出の仲介をしているからです。珠海と隣接しているマカオにショールームを持っている会社もあるし、国は違うけど、タイ製のシルクフラワーも出回っています。

中国で作られる造花は、アクリルフラワー、ペーパーフラワーやアートフラワーもあるけれど、シルクフラワーが比率としては圧倒的に多いです。

工場では、シルクフラワーの工程毎に分業制でパーツを作り、最後にアッセンブリング(組み立て)といって、各パーツから1本の造花に組み立てていきます。シルクフラワーの茎とがくはプラスチック製で、ジョイント式に作られているから挿し込んでアッセンブリング(組み立て)が容易な様に考案されたのですね。

このパーツのジョイント法のほか、型の機械使用などにより、今まで手作りで作っていた造花が効率よく、一度にたくさん作ることができるようになりました。

型には、生地を裁断する抜き型と、花弁や葉に表情をつけるためのヒーティング(熱加工)の型があります。この型をそれぞれの機械と一緒に使うことで、機械力でたくさんの生地に圧力や熱をかけることができるのです。

工場にとって、工場で働くワーカーと、これらの型は財産といえるのです。
2010/5/30(日) 17:29
蘭の造花
蘭の造花

人気のある造花(生産・販売量が多い)としては、菊や蘭が挙げられます。

蘭の花は、とても高級なイメージがありますから、ギフトにも人気ですし、旬は冬ですが、一年中出回ることからも使いやすく、デザインのポイントに絶好の花たちです。

蘭の花は、フォームフラワーとよばれ、花びら一枚でも欠けると花の形を成さない花です。

それゆえ、花の形がしっかりとしていますから、個性的でもあり、アレンジメントのポイント使用に適しています。

蘭というと、生花でも鉢植えが多く出回りますが、花屋さんに行くと保冷用のキーパーのなかにデンファレや胡蝶蘭、カトレアなどの切花を見かけることがあります。

生花の蘭で切花というと、そうたくさんは出回りませんから、切花を使用する場合は、とても贅沢な使い方になります。


さて、造花の蘭ですと、鉢植えのみならず、切花タイプもたくさん流通しています。アレンジメント・鉢植え向け切花タイプか、鉢植え向けブッシュタイプが多くあります。


ブッシュタイプは、花・茎・葉が複数ついたものが一体成形になっており、鉢に一挿しするだけで、手軽に鉢植が作れるタイプです。


種類別では、胡蝶蘭が生産・販売量とも多く人気です。胡蝶蘭の造花は、なんといっても鉢植えに多く使われています。花だけでなく、葉や根まで、とてもよく出来ています。


カトレアも人気があります。洋ランの女王ですから、華麗な花です。

他には、デンファレなどがよく扱われます。


とにかく、蘭は、品格がありますから、ブライダルにも仏事にも使える素晴しい花材だと思います。


写真の蘭は、造花(上2点)のほか、上海旅行中にとった蘭の鉢植(左1点、こちらは生花です)も掲載して

みました。


中国の方も蘭が好きなのですね。ちょうど、旅行中に訪れた刺繍工房の名前も「蘭莉」という名前で、とても印象深かったです。


莉はジャスミンの花の意味だと、以前中国の女性に聞いたことがあります。日本でも、茉莉花とかくとジャスミンのことを表します。

蘭とジャスミンは、雰囲気的にとてもよく合う気がしませんか?

香水の香りにジャスミンを含んだものは多いですが、蘭の香水はそう多くはありません。

蘭の中でもカトレアなどに香をもつ種類があるそうです。


私は、蘭の香水を持っているのですが、いくつかある中でもお気に入りの一点となっています。
2010/5/30(日) 16:42
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