造花のアレンジメント
左の写真は、フランスのホテルの花装飾ですね。このアレンジメントの花材にも造花が使われています。
このアレンジメント、垣根風に支柱を作ったところへポイントにアマリリスの造花を配しています。
デザインの構成上、一見、安定感のある左右対称(シンメトリー)なのですが、部分により左右非対称(アシンメトリー)にもなっていて、よく見ると細かい工夫のある作品です。
垣根に配したアマリリスは、3段構成になっていますが、上から2段目までは左右対称(シンメトリー)で、最下段のアマリリスと葉物は、中央より右よりに比重をおいた左右非対称(アシンメトリー)になっています。
支柱のアマリリスを配していない部分には、空間ができますから、そこに余白の美が生まれます。余白の美は、日本の浮世絵、着物の絵柄や生け花などにもよく表されていますが、その作品の構成上に取った空間の美しさのことをいいますね。
浮世絵などの、大胆に大きく取った空間の美しさに魅了される人も多いのではないでしょうか。
浮世絵や着物、生け花などの日本文化は、フランスやドイツなど、ヨーロッパの芸術文化にも影響をあたえていますね。
この写真のアレンジメントは、大胆に突出して目立つところはありませんが、構成上、シンメトリー、アシンメトリー、空間という特徴を併せもつバランスのよいデザインです。
また、花や葉の入れ方を見ていくと、後方から見ても美しいように、アマリリスや葉物の向きも後方に表が出るように入れてある箇所もあります。
このアレンジの様なデザインは、垣根やスクリーンと呼ばれていて、空間や壁面を大きく埋めるのに適したデザインです。比較的、少ない花材でも大きな空間が作れ、おしゃれなアレンジメントができますから、ホテルや店舗の装飾にも向いています。
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