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ある日、人類が誕生しました。
アダムとイブなんてロマンチックなものではありません。
猿が進化して自分達は他の動物とは違うと、おこがましい自我を持った時、人類は誕生したのです。
まだ、誕生して間もなくは狩りをしたり畑を耕したりしていました。
そして、何千年とたった頃から人々は積極的に争いました。
小さい土地を奪い合い、多くの人が死にました。
そんな戦いの時代が何百年と続きました。
いつからか、人間は兵器を持ちました。
また、飽きもせず殺し合いました。
戦いは多くの自然が巻き込まれ地球から自然の数が減りました。

宇宙が風邪をひきました。
ゴホゴホゴホ。
もう、何日も咳きこんでいます。
他の宇宙は言いました。
「大丈夫かい?薬は飲んだかい?」
薬を彼は嫌い、拒みます。
「いや、薬なんて大げさだよ。いずれ、良くなる。」
そう彼は信じて疑いませんでした。
事実、他の宇宙達は風邪を引いても次の日にはケロリとしていたし、この程度で薬を飲むのはかなり大げさな事なのです。
大した事では無い。
彼はそう思い、眠る事にしました。

更に何千年とたった頃、馬鹿な人間達も争いの無益さを知り、争う事を辞めました。
彼等は争いに使っていた労力を生活技術の発展の為に使う事にしました。
それからというもの、人類はとても栄えました。
空飛ぶ車なんて当たり前。
そもそも、もうそれを車とは言わない。
人類はそれを「AIR」と名付けました。
直訳して空気。
人間とはどうしてこうやって思いあがるのでしょうか?
人の作りし鉄屑を空気等とはよくも言えたものです。
ともかく、人類は栄え平和に暮らしていました。
その頃には、自然は無く、人に生かされている不自然があるのみとなりました。

次の日も咳が止まりません。
ゴホゴホゴホ。
ゴホゴホゴホ。
体調が悪くなる一方です。
熱も出てきました。
どうやらこれは、ただの風邪では無く病気の様です。
寒気、吐き気、頭痛、下痢、様々な症状が出てきました。
そこに他の宇宙がやって来ました。
彼の様子を見るやいなや他の宇宙は慌てふためきました。
「こりゃあ大変だ。早く病院に行かなきゃ。」
「…行きたいのは……山々なんだけど…動くのもしんどいんだ。」
息も絶え絶えに答える
彼にはひとかけらの元気もありません。
「僕が背負って行ってあげるから、ほら、掴まれ。」
「…ありがとう。」
宇宙は彼を背負い病院まで走りました。
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