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ここはとても平和な世界。
争いなんて起こる事も無いひどく平和で暇な世界。
戦車や戦闘機、軍隊なんてあるわけが無い。
銃は少し前まで警察官が使っていたが今ではもう破棄された。
今では警察官ですら銃を使わず警棒しか使わない。
そんな生きる意味も無い世界に彼は生れた。
仲間はいない。
皆時代の波に飲み込まれて消えた。
彼はただ生きる。
何もない世界に・・・・・

それはいつの事か分からない。
だけど夕暮れ時だ。
少年は少女と出会った。
少女は少年と出会った。
少年は長身で非常に精悍な顔立ちをしていた。
少女は少年の胸位の身長で少し幼さを残した綺麗な顔立ちをしていた。
少年ははにかんで少女は微笑んだ。
二人はお互いに恋をした。
手を繋いで二人は歩いて行く。

二人は付き合い始めた。
たまたま出会っただけの二人だ。
何故かは解らないけど二人は互いを愛し合っている。
何故好きになったのかも解らない。
ただ、愛し合っているという事実だけがある。
ちょっとした事で笑いあったりもした。
色々な所へデートへも行った。
接吻もした。
二人はそんな退屈で平和な日々を大切にしている。
そして何年か経ったある日、少年は少女にプロポーズした。
少女は頷く。

そして、二人は結婚した。
いつでも一緒。
二人は今まで以上に愛し合った。
彼女は子供を五人産んだ。
いつ、ことに及んだのかは解らない。
子供は上から順に長男、次男、長女、三男、次女とバランス良く生まれた。
二人は五人を加えて七人になった。
七人家族だけれどお金には困らない人並みな生活。
七人はそんな生活に幸せを感じていた。
そんな、退屈な日々がしばらく続く。
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