次の日、私は昨日の嬉しかった事をすぐに由香に報告した。

嬉しかった事や悲しかったこと・・について一緒に語り合い、
嬉しさを分け合う。

それがあたし達の友情だった。

「由香あーっ!!」

私は由香の所に笑顔で駆け寄る。


「何?・・・どうかした?ってかごめんねーっ!昨日先に帰っちゃって・・・」

「いいよおー!全然おっけーっ!それよりね、・・・あたし・・・悠斗先輩と付き合う事になったの」

「・・・・・・え?」

「だから、悠斗先輩と付き合う事になったの!・・・・あたしは、悠斗先輩の彼女になったの!」

「・・・・・・」


「なによおー! だまりこんじゃって! 本当だよっ!」

「あっ・・・ごめん。・・・なんか信じられなくて・・・。」

「でしょおー!!あたしも最初は本当に信じられなかった・・・。」

「でも、すっごいじゃーん!何で付き合う事になったの?」


会話はどんどん続く。
私は、どうして付き合う事になったのかを詳しく説明する。
そして、ちょっと大げさに言ってみたりする。
自慢じゃない・・・。
ただ単に嬉しかったの。
嬉しくて嬉しくてしょうがなかったから・・・
誰かに報告したかった。
だたそれだけの感情。

由香は私の長い話を、優しい笑顔でうんうんとうなずきながら聞いてくれる。
でも、話の終わりかけたそのとき、由香が言った。


「・・・ねえ、悠斗先輩「女たらし」とかではないよね?
・・・なんか・・・軽すぎない?・・・本当に大丈夫なの?」


私の胸に、その由香の言葉は見事に突き刺さる。

言われなくたって・・・声をかけられた時には、もうすでに思った。告白されるときだって思ってたんだ。
だけど、それって、嬉しい出来事でしょ?
だから、私は無理にでも自分に「嬉しい」って思うようにした。
私は精一杯「不安」を胸の奥に隠したんだ。
・・・・・・・・・・・・なのに・・・・。

由香は優しい子っていうのは私は知ってる。
だから由香のその言葉は、私のためのものだって・・・それも分かる。
だけど・・・・


「そんなことないよ!!悠斗先輩に限ってそんな事あるわけないじゃん!!
・・・それとも由香、この事・・・祝ってくれないの?」


そうやって鋭い言葉を由香に投げつけてしまう・・・。


でも由香は、


「ごめん!悠斗先輩に限ってそんな事あるわけないっか!
応援してるよ!・・・・美穂の事!」


そうやって言ってくれる。



私が思っていることをすべて見破ったかのように、
それ以上問いつめたりはしなかった。
そして、私のキツイ言葉に対しても怒ることは・・・なかった。


泣きたくなる。
由香のその優しさが妙にムカついてくる。


なんで?
なんでもっと怒らないの?
「そんなきついこと言わないで」とか言ってよ!


・・・本当はそんな事言って欲しくないくせに、私はそう思ってしまう。



あたしって・・・ほんと性格悪いなあー・・・。
と、自分でも感じる。





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