▼無題
10代の頃にした恋は
心を奪われ
胸を焦がして
しばらくはまだ
チリチリと音をたてていた。

「もうこんなのはやだ」

10代にして
恋愛にはときめきも
ドキドキもいらない
…ということを思い知る。

30代手前で出会ったその人は
あのころの私を
あっさりと引っ張りだした。

会えば嬉しくて
話せばドキドキして
笑っていればときめいて 

あんな想いは二度としない
もうこりごりだと
思っていたことが全て言い訳。
あたしがその人を拒否するための口実。

そんなあたしの想いをきっと知らない。

だったら。

知られないようにするまでのこと。

あの頃、そうしたように。
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