無題
10代の頃にした恋は心を奪われ
胸を焦がして
しばらくはまだ
チリチリと音をたてていた。
「もうこんなのはやだ」
10代にして
恋愛にはときめきも
ドキドキもいらない
…ということを思い知る。
30代手前で出会ったその人は
あのころの私を
あっさりと引っ張りだした。
会えば嬉しくて
話せばドキドキして
笑っていればときめいて
あんな想いは二度としない
もうこりごりだと
思っていたことが全て言い訳。
あたしがその人を拒否するための口実。
そんなあたしの想いをきっと知らない。
だったら。
知られないようにするまでのこと。
あの頃、そうしたように。