▼絶望
ああ、何をしているんだ。僕は。

1人、頭の中で呟く。罵るように。哀れむように。

心を占めるのは、虚しい空洞感。そう、微かな虚無感。何もない中にある静かな絶望。


頭が痛い。痛い。痛い、痛い、痛い痛い痛い。

嘔吐しそうな程の目眩に思わず喉を押さえながらも、僕は自分に向かって呟き続ける。


それは、独り言。返事をする者はいないから。

例え誰かに向けられた言葉でも、応えてくれなければそれは独り言。
空しく悲しく宙に霧散するだけの呟き。ただそれだけの存在。

ああ、何をやっているんだよ、僕は。

…「僕」は答えない。応えない。
死んだように黙りこくっている。
もう、何日も。何週も。何ヶ月も。…何年も。

いくら違うことを話し掛けても、誰も応えない。
闇の中には闇しかないんだと言わんばかりに、僅かな沈黙で返してくれる。

は、はは。
本当に優しいんだから。全く。

乾いた笑いのような、引きつった泣き声のような、そんな声で静寂を追い掛ける。

何をしているんだ。何をしているんだよ、僕は…。

ああ。絶望の終わりは、出来ることなら僅かな切望で締め括ってほしい。

そんな愚かなことを、今日もまた考える。
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