▼見えない荷物

今まで積み上げてきたたくさんのもの

それ全てがあって今の僕がある?

それならそんなもの もう要らない


夕暮れに見上げた空は 相変わらず優しかった

三日月の夜は僕に相応しい明かりをくれた

朝 それら全てが拭い去られる感覚

昼 照りつける日光 倒れそうな 僕


朝も昼も苦手だった 太陽の光は僕を弱くした

直視出来ないまぶしさ それに対する疎ましさ

影から影へと逃げ込みながら 道を歩いていた


スポットライトなんか必要ないんだ

こんな僕なんかは照らされなくたって良いんだ

明るすぎる閃光 僕には似合わない輝き

どうしてもふらつく足を必死に隠していた


積み上げたものは何だっけ

暗い中 月明かりだけで運んでた荷物

自分が何を持っていたのかすら分からない

それなら持ってる意味もない


それならそんなもの



もう要らない





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