ボム・メール Letter 1
その日は郵便のバイクの音で目が覚めた。薄暗い部屋の中のベットの上で身を起こすわたし。
桃色のカーテンをさっと開けると、窓の外には青々とした植物がたくさんあるきれいな庭を眺めることが出来る。
誰もおきていないようだ。
早速、郵便受けを見に行くことにした。
パジャマの上から新品のカーディガンを羽織って、わたしは郵便受けをのぞきに外に出た。外には真新しい住宅が立ち並んでいる。わたしたち一家は先日、このニュータウンやまさきに引っ越してきたのだ。
今朝の朝刊と白い角封筒が入っていた。わたしは白い封筒を手に取った。
宛名は自分になっている。差出人は、内山緑。
緑なんて子は、親戚にも友達にもいないはず。近所の子かもしれないけれど、切手は貼ってある。消印には、最寄の郵便局の名が押されていた。
部屋に帰ると、早速封筒を開けた。
中から青い折り紙で包まれた白い封筒が出てきた。
<残念ですね。>
という文章で始まっていた。
<あなたは25通目のボム・メールを受け取ってしまった不幸な人間です。>
と続いていた。
ボム・メールとはなんだろう…?チェーンメールの一種だろうか、25通目とは一体何のことなのだろう。
<あなたが5歳以下の人間ならば、この手紙を捨ててください。また、25歳以上の人間ならばこの手紙を燃やしてください。それ以外の方ならば、封筒だけ捨ててこの手紙のことは誰にも話さないで下さい。>