ボム・メール あとがき
 本作「ボム・メール」は、このサイトでの初めての連載小説であり、わたしの中では数少ない完結された小説でもあります。いわば、ちょっとした記念作です。
 最初、何も設定(プロット)がないまま、ただ「ボム・メール」という題名だけが頭の中に浮かびました。そして、後先も考えずに連載をはじめてしまったんです。
 実をいうと、題名が浮かんだ時でさえも「ボム・メール、ってなんだよ!」と自分につっこみたいくらいでした。
 そういうことはよくあるので、これも連載しきれないかな……と思っていましたが、なんとか話になったので今はホッとしています。あまり思っていたほど長い話には出来なかったけれど、あえてこのくらいの短さで区切っておくといいかもしれませんね。


 小説の大きな題材になっているチェーン・メール。
 手紙に限らずメールまで、最近はうっとうしいものです。ただ単に遊んでいるならいいのですけど、文面の中に「3日以内にまわさないとうんぬんかんぬん」とかが混ざってくると、ちょっとただならぬ怖さを感じてしまうものですから。
 実際は起こらないとわかっていながら、それでも万が一のためにまわしてしまう。自分は関係ないことを他人に証明させてしまう。
 チェーン・メールの全ては、この人間の弱みを握っているんだと思います。
 けれど、これらをまわしているのは他ならぬ人間。
 どれだけ非現実的なことが書かれていても、読んで信じれば本当に起こってしまう。いや、正確にいえば起こったような気分になるんでしょうか。
 これは制作秘話なんですが(笑)、Letter 4 の段階で、偶然の出来事により主人公の少女の命は落ちてしまうはずでした。そうした方がホラータッチになると思ったんです。
 けど、やっぱりそれでは当たり前すぎるから、ここは一発どんでん返しを!と考え、Letter 5 -Last Letter- を書きました。
 あの時思えば大胆な作戦(?)でしたが、今考えると面白いことが出来てよかったと思います。完結後、多くの方から感想をいただきました(照)。
 これからも、第二の「ボム・メール」となるような面白い作品を書いていきますので、よろしくお願いします。
スポンサード リンク