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キスをして。目をあける。そして。
「・・・で?どうゆうつもりなの、エルモ」
リジーの見上げた先で、男が固まる。
「き、気づいて、いたの?」
リジーははぁっと溜息ついて、
「あのねぇ、そう何度も何度もひっかかると思わないで」
そしてふいっとそっぽを向いて。
「・・・そう何度も何度も、心変わりすると思わないで」
今度こそエルモは泣きそうになった。リジーの手をしかっとつかむ。
「・・・すまない。すまなかった。試すつもりじゃなかったんだ。ちょっといたずら心 で・・・。今日のこと、ちゃんと謝りたかったんだ。」
「わかってる。」
エルモの手から、リジーはバラの花束を受け取った。
「ちゃんと、私の好きな色のバラを持ってきてくれたことも。」
それにね、とリジーは空いたエルモの手をとり、自分のお腹に持っていく。
「もう私達も大人にならなきゃ」
リジーが編んでいたのは、ちいちゃなちいちゃな、靴下だった。
「リジー・・・!!!」
エルモはリジーを抱きしめた。