彼岸花〜想うは貴方ひとり〜




あんな笑顔もあの声もあの手の温もりも・・・
想い出せば悲しいだけなのに
でも想い出すのはすべて楽しかった事ばかりで・・・

目の前でかたく瞳を瞑るあなたは
優しく微笑んでいるようでした
いつもなら私の声で目を覚ます
触れても声を掛けても
そのかたく瞑った瞳は開かない
あんなにも温かかった手も
今は氷のように冷たくて

茎を握り締めた
風に揺れる紅い花、彼岸花
あなたは彼岸花花言葉を知っていますか

一本だけ握り締めた彼岸花
最後にあなたに贈ります
温もりも消え、ぴくりとも動かぬ
あなたの手の中へそっと握らせて

地に咲く彼岸花を見つめます
秋風に揺れる紅い花、彼岸花
あなたは彼岸花花言葉を知っていますか

ここにあなたが居なくとも想い続ける

私が最後にあなたに送った花、彼岸花
花言葉『想うはあなた一人



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