*1ヵ月前のお話。
「僕、今年は仮装用の衣装を自分で作ろうかと思ってるんですよ。」



*1ヵ月前のお話。*




唐突に今年の仮装と言われても一体何のことだか見当もつかない。
しかしそう言っている骸の異様にやる気に満ちた瞳と言っている内容から綱吉は脳内で答えを探り
何となくではあるがある1つの行事に辿り着いた。

「もしかしてハロウィンのこと?」

「よく分かりましたね。そう、ハロウィンです。
 吸血鬼の衣装を作ろうかと思ってましてね。僕、結構器用なんですよ。」

骸ほどの容姿を持つ人間の吸血鬼姿・・・きっと誰しもが似合うと認めるだろう。

「そして夜中に綱吉を襲ってしまおうかとwクフフフフw」

「来たらその心臓に杭打ってやる。」

その性格さえどうにかなればなぁ・・・綱吉はこういうとき何時も思う。
今度はまた瞳に違う色を浮かべて怪しげに指を動かしている骸を見て身の危険を感じた綱吉は、何も言わずに骸から数歩下がった。

「因みに綱吉の着るものも作る予定なんですよ。」

にこりと笑って骸が言うと、それに比例して綱吉の気がずんと重みを増した。

「・・・一体どんな衣装を?」

ろくな物ではないだろうと思いつつ骸に聞いてみる。
聞きながら予想をしてみると、頭に浮かんできたのは見事に女の子物ばかりで
綱吉の気は重くなるばかり。
それとは逆に、骸は待ってましたとばかりに語り始める。

「魔女っ子なんて可愛いと思うんです。
 全体を紺でまとめてもちろんほうきも作ります。スカートは膝上20cm以上で下着は綱吉っぽくピュアな白で・・・」

「せめて突っ込みどころはコンパクトにまとめてください・・・」

「僕はいたってまじめです。」

「絶対にそんなの着ないから!」

「不満ですか?「当たり前だろ!」・・・なら、魔女っ子はやめて黒猫で手を打ちましょう。
 いやでもしかし猫耳はハロウィンでなくともできますし・・・。・・!!プリンセスなんてどうでしょう!?」

「全然問題解決してないよそれ!」

そもそも女の子物という根本的な問題がまったく解決されていない。
骸はまるで当たり前のように次々と明らかに男が着る物ではない衣装を挙げていく。
綱吉は骸に新たなアイディアを言わせてしまったことをひどく後悔した。
骸は既に自分の妄想の世界に入っていてどんな声も届かない。
そのうちうっとりとした表情で視線をどこかへやったまま綱吉に声を掛けた。

「もういっそのこと30分ごとに違う仮装をするっていうのはどうですか?」

「俺は着せ替え人形か。」

「・・・そうと決まれば善は急げです。早速製作に取り掛かりましょう。」

綱吉は突っ込みを入れようとしたが骸は定規で布を測っていたため時既に遅し。
まわりに音符が浮かんでいるように骸は上機嫌で鼻歌を歌いながらテキパキと布を測って切っていく。
あまりの手際の良さに綱吉は声をかける間もなく、ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。



ハロウィン1ヵ月前のお話。


end



文月ゆい様へ捧げる相互御礼小説です。
遅くなってほんっっっとうすんませんしたぁ!!(ジャンピング土下座
リクは「ムクツナでメイドとかそこらへん」でした。
勝手ながら、メイドとかそこらへん=コスプレっぽい感じととらせていただきました(殴
この小説を書いたときが丁度ハロウィン1ヵ月前だったんです(笑
リク小説の文がいつもものっそ崩れてしまう文才のなさに毎度ながら涙が出ますorz
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