*狂気の愛と情(ムクヒバ)
※血が苦手な方は観覧注意!紅い薔薇を束ねて捧げるような
そんな甘い愛し方なんて、知らない
*狂気の愛と情*
「何故でしょうね・・・」
「またその話かい?」
「だってほら、此処にはこんなに薔薇が美しく咲いているのに・・・」
「何故血を流さなければいけないのか、だろ。
しつこいね君も。別に、いい墓場じゃないか。」
金属音が激しく弾かれ
2人の身体からは場所を問わず血が滲み、その香りを吸い込むように
辺りには妖艶な薔薇が咲き誇っている。
「きっと僕達はこの先ずっと、甘く唇を重ね合うことなんてないのでしょうね。」
言葉とは裏腹に、骸の瞳は愉快そうに殺気を滲ませている。
・・・くしゃり。
雲雀は茎から落ちて地に散らばった薔薇を踏み、
鋭い微笑みを浮かべてトンファーを構えた。
「何もそれだけが『愛し合う』ってことじゃない。」
血に貪欲な2人にとって
血塗られた刄を交え、互いの血を引きずり出すのもまた愛情。
「その通りですね。
互いが互いの血に酔って求めてしまっているんだから仕方ありません。
・・・恭弥、愛しています。」
三叉槍がしなやかに振り下ろされると、静まっていた欲望は再び拍車がかかり
血の滲んだ金属音は止まることを知らないように狂い咲いた。
どちらのものとも言えない血液が白薔薇に1つ、斑点模様を浮かび上がらせる。
紅い薔薇を束ねて捧げるような
そんな甘い愛し方は、僕達は知らない
そんな僕達を例えて言うのなら
純白の薔薇を血で染めようとするような 狂気の愛と情
end
ヒバムクのように見えるかもしれませんがムクヒバです。
最近私薔薇入れるの多すぎですね・・・