*too sweet
『too sweet』

「スクアーロー。」
「何だぁ。」
「喉渇いたーコーヒー。」
スクアーロの自室のソファーにお菓子を食い散らかし
当たり前のようにそこを占領しているベルが
当たり前のようにスクアーロに命令した。
「今こっちの仕事で忙しい。それくらい自分でやれ。」
スクアーロはペンの動きも止めず
視線も紙に当てたままさらりと応える。
「は?鮫のクセに何王子に口答えしてんの?
そんなものより王子が最優先に決まってんじゃん。」
何でもかんでも自分が一番。
そんな、目の前のソファーに寝転がっている我が儘王子を見
スクアーロは溜息をもらした。
「まぁ・・・もう少しで一段落つくとこだったしなぁ。」
書きかけの書類の隣にペンを置き
スクアーロは2人分のコーヒーを入れるために立ち上がった。


「ほらよ。」
ベルが居るソファーの前のテーブルにカップを1つコトリと置き
自分はさっきの椅子に座って暫しの休憩。
しかし気を抜いたのもつかの間。
突然、げえええ!!という声が耳に響いてきて
思わず口に含んでいたコーヒーをカップに戻してしまった。
「何だ急にでけぇ声だしやがっ・・・ぅおっ!?」
突然の声の主、ベルに視線を当てた瞬間
まだ中身の入っているコーヒーカップが飛んできた。
間一髪の所でどうにかよけると
直ぐ後ろの方からガシャャンと言う音を聞いた。
「何これ!苦い!ありえない!お前どういう味覚してんの!?
ホント1回病院にでも行ってくれば?」
「苦いって・・・別に普通のコーヒーだろうが。」
「王子がありえないって言ったらありえないんだよ!
これ砂糖入ってんの!?
入ってたとしてもこれいつも俺が飲んでるやつの10分の1も満たしてねーじゃん!!」
「10分の1って・・・お前こそ1回診てもらったらどうだ。」
「あーもーうるさいな!
それより口苦い!スクアーロどうにかしろっ!!」
バタバタとソファーの上で暴れる姿を見て
はぁー、と本日2回目の溜息をつきながらコーヒーを置いて立ち上がると
右手で頭をかきながらベルの元へ歩み寄った。
そしてベルに覆い被さって体をソファーに押さえつけ
少し驚いていてわずかに開いている口にキスをした。
同時に舌を滑り込ませて
ベルの舌を舐めとるように絡めていった。
「ん・・・んんっ・・・・・・っ!!」
「ぐおっ!?」
驚きで呆然としていたベルが我に返り
ドゴッと一発スクアーロの腹に蹴りをお見舞いした。
「何してんだバカッ!
これで口ん中が甘くなると思ったわけ?
お前も同じコーヒー飲んでるんだから余計苦くなるに決まってんじゃん!
もっと甘いコーヒー入れてきて!」
飛ばされて尻餅をついて
蹴られた腹部をさすっているスクアーロの足下にナイフを3本突き刺して脅し
強引にコーヒーを入れ直しに行かせた。
その時スクアーロはふと思う。
いつも自分に対して手荒なのは分かっているが
今回だけは何かが違う、と。
何かこう、少し焦っているような・・・。

そう、スクアーロの予想通り、ベルは焦っていた。
顔の温度が徐々に上昇していくのがわかり
それで更に羞恥心にかられ
耐えられずに両手で顔を覆った。

キスなんて、もう何回何十回としてるのに。
何故こんなにも紅くなってしまったのだろう。

わからない。
ただ唯一、確かに言えることといえば・・・







「スクアーロのバカ。
これからあのコーヒー
スクアーロ無しじゃ飲めなくなっちゃうじゃん・・・」

砂糖とは違う、俺だけが感じるお前の甘さ。

俺を狂わし惑わし、快楽の底に陥れる

まるで罠のような甘さが・・・。


end



お初スクベルです。
最後のベルは、スクアーロに聞こえないように呟いてます。
なんかおちが中途半端なような・・・?

ベルは絶対甘党だと思います(急に主張
だけどどんな甘いものより
スクアーロのキスが1番甘く感じられちゃうっていう罠。
何だかんだ言っても
ベルはスクさん大好きなんです(*^^*)
恋人としてもおもちゃとしても(笑
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