*長髪と嫉妬

気に入らないんだよ


*長髪と嫉妬*


自分の前を歩いているスクアーロ。
1歩進む度にその銀色の長髪がさらさらと視界の中で揺れる。

「そういえばこの髪・・・」

「?なんか言ったかぁ?い゛っ!?」

スクアーロは振り向きざまに
ベルに両手で思いっきり顔のサイドにあった髪を引っ張られた。

「何しやがるてめぇ!!」

「この髪ってさー、ボスに誓って伸ばしたんだよね・・・なんかムカつく。」

何故そのような感情を持ったのかベル自身もわかっていない。
ムスッとしてどこか悩んでいるような表情のままのベルを見て
本人より先に察したスクアーロは今の怒りを忘れてしまった。

「・・・切れよ。」

「は?」

「だから髪切れって言ってんの!!ボスに誓う前の長さに!
なんかわかんないけどムカッとするんだよ!!」

「・・お前それヤキモチっていうんじゃ・・・」

「なっ、ばっかじゃねーの!?自惚れんなバカ鮫!!」

最後にもう1度髪を強く引っ張ってベルは行ってしまった。
スクアーロは立ち止まったまま自分の髪を片手で静かになぞる。

もちろん、切るつもりはない。

「あいつが俺のことで余裕なくすなんてこと、そう滅多にあることじゃねぇからなぁ。」

それに何よりも
その姿、表情がとても可愛かったから。


end



ベルの嫉妬はすっごく判りやすいと思います(笑
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