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祝・雛子ツンデレ日。そんな感じな気分だった。
雛子さんがツンデレやってたのは気のせいだろう。
気にしてはいけない。
倖箕津の思考が動き回っていた。
「どうかしたのか?」
雛子はきょとんとした
「いえ。別に」
しばらく沈黙が続いた。
街につくまで無言だった。
否。街殺風景だったので喋るのが気が引けた。
もちろん熊は出なかっただろう。
この街は活気が無い。
絶望をしった眼。
一言で言えば『死んだ街』
街人みんなが元気が無く。食べるもん食わず
絶望にもおびえず。
死を望んだ眼。
商売どころではない。
すぐさま帰りたくなった。
こんなのみたくなかった。
見なかった事にしたかった。
「帰ろうか…」
震えた口で雛子が先に口を開いた。
「そうですね…。」
うつむいた倖箕津が言った。
倖箕津の兄貴の家についても無言だった。
何より悲しく思った。
同情と言う奴か。
情けをかけたくなったのか。
哀れに見えたのか。
全ての答えをあわせても矛盾はしないだろう。
「辛気くさいなぁ。おふたりさん。仕事は見つかったのかよ」
空気を読まず 倖箕津兄貴がいった。
「あんなところで働いて商売になるのかよ?兄さん」