▼写楽百面相 (新潮文庫)
泡坂妻夫「写楽百面相」 ペンネームは本名のアナグラムだそうである。この人は面白い人で、紋章上絵師、手品師の顔も持つ作家である。一番始めに読んだ本は紋章上絵師としての「家紋の話ー上絵師が語る紋章の美」だった。家紋について知りたいことがあって読み始めたのだが、これがえらい面白くて、作者に興味を持ったのだった。近くの小さな図書館には彼の本2冊しかなくて、その一つがこれ。謎の絵師として名高い写楽について、彼だったら絶対書くだろう一冊。既に高校生の時に写楽に惹かれていたという。巻末には写楽について書かれた本のリストが載っている。写楽考も面白いところだが、当時の歌舞伎役者や力士が出てきて楽しませてくれる。これを書いていて泡坂氏の訃報が入ってきた。残念。惜しい。もっといろんな小説を期待していたのに。ご冥福を祈ります。 |
2009/2/6(金) 11:56 ..No.6