▼睡眠(ランシュウ)
それは月の綺麗な夜だった

ランシーンは窓を背にして月明かりと
シュウの机の上にあるライトをつけて本を読んでいた

「ワル夫・・・寝ないの?」
眠たい目を擦りながらシュウがベッドから起きてきた
「ランシーンです、そうですねこの本をもう少しだけ読んでから寝ますよ」
シュウに顔を向けて優しく話しかけるランシーン

シロンはシュウのベッドの上ねずっちょの姿でグーグーと爆睡中
時々幸せそうな寝言をガガガ語でつぶやいてる
その姿はいつものシュウの寝姿そのまんまの様にシンクロしていた

「・・・・・・」
無言でランシーンを見つめるシュウ
「・・・・なんですか?」
穴が開きそうなほど見つめるシュウにちょっと戸惑いながらランシーンは聞いてみた

「おまえさー・・・もう寝たほうがいいよ、疲れてるんじゃないの?」
「はい?」
何故いきなりそんな事を言うのかよくわからないランシーン
「だっておまえの目の下クマが出来てるじゃん、ぜってー睡眠不足だって!」

いやそれは元々ですから・・・と言おうとした時
シュウの手がランシーンの顔に優しく触れる
「一緒に寝よ・・・」
眠たい所為か潤んだ瞳をランシーンに近づけて見つめるシュウ

ドキン

ランシーンの心臓がちょっと高鳴る

「もう夜遅いんだし本は朝早起きすりゃいいじゃん、3人で一緒に寝ようよ」

・・・・・ああ、そういう意味ね(どういう意味だと思ったんだ)

「ホラホラ早く早く!」シュウがランシーンの手を掴んでベッドへ引っ張る

「はいはい、わかりました」
ランシーンが本に栞を挟んでライトを消す
シュウが枕元にあったタリスポットを手にして
「んじゃあ、カムバックするぞー!ランシーンカムバーック!!」
ランシーンはわるっちょな姿に変わっていく
そしてそのまま飛びながらベッドへ向かうランシーンの体を
シュウの両手が捕まえる

「???」
「お休み、いい夢見るんだぞ」
シュウは笑顔でそう言いながら
ランシーンの頬に優しくキスをした

「!!!!」
そのままランシーンはベッドに寝かされて
シュウもベッドへ入りすぐに寝息を立て始めた

ぶっちゃけシュウは寝ぼけていたのだ

ランシーンは心臓が飛び出しそうなほど興奮していたので
読書は止めたが結局朝まで眠ることが出来ず
目の下のクマは益々酷くなったとか

おしまい