▼そのままの君でいて(シロシュウ)
晴天の空の昼下がり
シロンは瞳を閉じ風を受けながら秘密基地の屋上にいた

『あの白いドラゴンは怖いけど・・・』

シロンの頭の中で子供達が話していた言葉を思い出す

「でかっちょ〜」

シュウが屋上のドアを開けて元気よくやってきた

「なんだ?」シロンが瞳をゆっくり開けてシュウを見つめる

「どしたの?」キョトンと見つめながらシュウが訊ねる

どしたの?って(汗)
「おまえが今呼んだんだろ?」
いつもの事だが主語のないシュウにとりあえず突っ込んでみる

「いや、だってお前今すごい泣きそうな顔してるぞ」
「そうか?」
「うん、そう!」

・・・・・・・・・しばしの沈黙

トコトコとシュウがシロンの足元にやってきて
足を軽くペチペチと叩く

「なんだなんだ〜?何か悩みでもあるのか〜?部長の俺に言ってみ〜」
「部員の悩みを解決するのも部長の仕事だからな〜」
顔を上に上げてシロンを見つめながらニッと笑う



「・・・・・・人間になれたら・・・・」

「ん?」

「人間になれたら子供達や他の人間に怖がられたりしないのかなって思ってな・・・」
そう言ってシロンは再び空に顔を向けて瞳を閉じた

それを黙って聞いていたシュウがいつになく真剣な声で聞いてきた
「お前・・・その姿嫌いなの?」

「別に、そんなんじゃねーけど・・・」

「怖いとか言われるのが嫌ってこと?」

「・・・・・・・・」シロンの返事はない






「・・・・あ〜・・・そのさ、俺はお前のこと怖くないぞ!」

ふっと瞳を開けシロンがシュウをまた見つめる

頭を右手で掻きうんうん悩みながら言葉を探しているシュウ

「だからなんていうのか、大きい翼も綺麗だし・・・えっとふかふかだし・・・・」

「つまり、でかっちょな姿が好きってこと!」

シロンの瞳が大きく見開かれる

「それにさ・・・俺以外にも怖くないって認めてる奴だっているだろ?」
「マックとかメグ・・キザ夫・・キザ夫の父さんとか母さんとか俺の父さん・・・あとは・・・」

いきなりシュウの小さな体がシロンの腕に抱きかかえられる

「シロン?」

「ありがとな・・・」シュウの耳元で優しく囁かれるシロンの声

シュウは抱きかかえられたままシロンの体に優しく触れる

「そのままのお前でいればいいと思うよ・・・」

人間にならなくてもお前はお前
大好きなシロンだから



おしまい


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とりあえずなあとがき

小説第2弾今回はシロシュウ〜♪
激しくシロンさんヘタレ気味(前回のランシーンさんもだけど)
それはまあよしとするかぁ(いいのかよ!/笑)