シロンは素直じゃない
むしろ俺様でわがままだ

「お前、ネッカチーフ持ってる？」
秘密基地の屋上でシュウがシロンに聞いてみた

「んなもん持ってる訳ねーだろ」
「あんな趣味の悪いもん」
プイっとそっぽを向き言うシロン

「へ〜、持ってないんだぁ」

「持ってねぇよ」

「・・・・・・・・」
じっとシロンを見つめるシュウ

「なんだよ・・・」
訝しげにシュウの顔を見るシロン

「よいしょ！」
シュウがシロンの体をよじ登り始める

「おい！なんだよ？」
シロンはずり落ちそうになるシュウを手で支える

その手を伝ってさらにシロンによじ登る
目指す場所は・・・・シロンの頭の上

シュウの手が飛行帽に届く

「おりゃ！！」
シュウが自分の大きさよりも大きなシロンの帽子を
力いっぱい脱がす

「うわわ！！」
そしてバランスを崩して落下

「サーガ！！」
シロンが慌ててシュウを掴む

飛行帽が脱がされシロンの金色のクセ毛が太陽にキラキラ光る
そしてその金髪の間からひらひらと落ちるもの

『ヒョウ柄のネッカチーフ』と『ねずっちょの浴衣』

風に舞う２つのネッカチーフと浴衣をシュウは見つめ

「あれは、何？」と
イラズラっぽい顔でシロンに尋ねる

「・・・・・・////////」
シロンは答えない
そのかわりに顔が見る見る紅くなっていく

「お前ホント素直じゃないよなぁ」
シュウは笑う

「・・・・うるせぇ・・・」
シロンはそっぽを向き呟く

実はシロンが昼寝をしてるとき
ネッカチーフがシロンの飛行帽からはみ出ていたのを
シュウは見ていたのだ
（浴衣は予想外（笑））

シロンはドラゴンで自分よりずっと大人だけど
時折見せるこんな子供っぽいところが
シュウは大好きだった

おしまい