▼ねずっちょ&わるっちょ その2
コトン!と音を立てシロンとランシーンの居るハムスターゲージの横に
大きなバスケットが優しく置かれる
まだバスケットは開けられてはいない
でも中から微かにコトコトと何かが動く音が聞こえる

「コレが、例のハムスターかい?マツタニ」
ジャックはシロンとランシーンを見つめてサスケに話しかける

「ハムスターっていうのか解らないけど・・・^^;」
「まぁ一応・・・」
少し戸惑いながら答えるサスケ

「ふーん・・・珍しいなぁ、っていうか羽??羽付いてる??」
「コレ・・・本物??」

ガシャンとゲージが開けられる
「ンガ?!」
シロンはジャックに摘み上げられていた

翼をわしわし触られるシロン
「へ〜・・・本物だ、すごいな」

「ンガ!!ンガガーーー!!ガガァ!!」
(てめぇ!!何しやがる!!翼触ってるんじゃねぇ!!つか掴むな!!このヤロゥ!!)

今にも噛み付きそうな勢いにシュウが
ジャックの後ろから「頼むから父さんの友達噛むなよ」
な顔をして視線で訴える

「・・・・・・ンガァ・・・」
ぐっと堪えるシロン

「へぇ〜面白い鳴き声だな」
笑いながらジャックは言った

「ところでコレ本当に雄?もし間違いだったら今日来た意味ないからなぁ」

そしてジャックの指がおもむろにシロンのある場所に到達する



「!!!!!!!!!」



「お!ちゃんと睾丸あるな!」
そしてひっくり返され尻をマジマジ見られるシロン
「肛門と尿道口もちゃんと離れてる、間違いなく雄だ!!」
笑顔で言うジャック


何が起こったのか解らなかった

つかむしろジャック以外の者全てが固まっていた


そしてその沈黙を破ったのは・・・・



「フンガアアァァ!!」


シロンの絶叫だった

ジャックにおもくそ蹴り入れようとするシロン
慌ててシュウが間に入り押さえ込む
「コラ!ダメだって!!」
しかしシュウの顔は笑っている
シロンの怒りもごもっともだが正直笑えてしまうシュウ

ランシーンも背中を向けて笑っていた

しかし

「あ!そうだ!もう1匹も一応確認しとこう」
ジャックがゲージに手をやる

「!!!!!!」
一気に血の気が無くなるランシーン

ゲージの中に手が入ってきてランシーンの元へ来る

「フグググ!!グフゥ!!!」
(わ!!私も??私もですか??)

慌ててゲージの中で暴れて逃げ回るランシーン

しかし狭いゲージの中

あっさり掴まってしまうランシーン

「暴れない、暴れない、すぐ済むからな〜」
そう言ってジャックの指がランシーンの大事な所に向かう

「グ・・ググゥ・・・」
(あ・・・ああぁ・・・)
涙目のランシーン


「ググーーーーーー!!!」

(サーガァァア!!)


絶叫するランシーン








・・・・・・・・暗転・・・・・・・









ハムスターゲージの中で真っ白に燃え尽きている2匹

それを横目で笑いながら食事をするシュウ
今はお食事タイムである

ヨウコの自慢の手料理に
サスケとシュウ、そしてジャックは満足げだ

HAHAHA!!と食卓に笑い声が響く



そんな食卓の笑い声を聞きながら
「なんか・・・俺・・・今日大事なもの1つ失った気がするぜ・・・」
天井を見ながらぽつりと呟くシロン
「・・・・・・・・・」
ランシーンはうな垂れたまま何も言わない
微妙に放心状態だ

サーガのために大事に取っていたものを(大事に取ってたのかよ!)
まさかおっさんの・・・・
あんな人間の顔してないおっさんの手で弄ばれるとは・・・
しかも尻の穴まで見られたし


そして食事が終わりデザートに入る前にジャックが腰を上げる

「さて、そろそろ、始めようか?」
そう言って再び2匹のゲージの方へ向かってくるジャック

ビクッ!!
正直今までこれほどにウィンドラゴンを震え上がらせた人間はいないだろう
っていうかレジェンズにもいないはず(多分)

な・・何が始まるんだ・・・?

2匹はジャックの行動にビクビクしながらも行動から目を離さない

隣に置かれたバスケットが開けられる
そこから出てきたものは

『ハムスターゲージ』

中には2匹の茶色の雌ハムスターが入っていた

要するに『お見合い』だった訳である

ジャックの家で増えすぎたハムスターを
お嫁さんに貰ってくれという話だったらしい
本当はお見合いはジャックの家でという話だったが
シュウが1日や2日でも2匹を手放したくないってことで
ジャックがマツタニ家へ来た訳である


「まずはゲージ同士をくっつけ様子を見る」
「いきなり入れると縄張り問題で攻撃するからな」

その雌の入っているハムスターゲージを
シロンとランシーンの入っているゲージの真横にくっつける様に置くジャック

「これでよし・・・・っと」

そして再び食卓へ向かうジャック

「俺さ、あんなハムスター見た事ないから是非このお見合い成功させたいんだよな」
「出来た子供は少し分けてくれよな〜」とジャックがサスケに言う

サスケ・ヨウコ・シュウは苦笑する

サスケは「生まれたらね・・・^^;」と曖昧な返事をするしかなかった

「今日の夜にゲージの中に入れてみよう」
「それで相性が合えばお見合いは成功だな!!」
「頑張るぞーーー!!!」
どうしても子供がほしいジャックは気合が入りまくりだ





それを聞いていた2匹
さらに顔面蒼白

「マジかよ!!俺らこいつらと一緒に夜居るのかよ!!!」
そう言ってシュウ達に視線を送りながら雌ハムスターを指差すシロン
目には微妙に涙が溜まっている

「なにか・・・そちらのお嬢さん方、怪しいオーラを放ってるんですが・・・」
ちらりと横目で雌ハムスターを見るランシーン

雌2匹はヤル気(犯る気?)満々な態度で腰を振っている(笑)





そして2匹にとって忘れられない恐怖(笑)の1夜が今始まろうとしていた



(3へ続きます)
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