▼白い翼(シロシュウ)(贈り物)

晴天の日曜日
秘密基地の屋上で
白いウインドラゴンのシロンは今日は大きいまま
翼を思い切り広げた状態で仰向けになり昼寝をしていた
天気は良いが冬のため少々寒いけど気にしない

バタン!と音を立てて扉が開いて
少年が近づいてくる、風のサーガのシュウだ
「でかっちょ〜、見て見て〜作ったの〜」
そう言って元気よくLCの旗を振りながらやってくる

「んあ?」
寝ぼけた目で首だけ上げてシュウを見るシロン
青い瞳と碧の瞳の視線がお互いを見つめる

「何やってんの?」
いつもと違うスタイルで寝ていたのが不思議だったのか
しばらくキョトンとした目でシュウは見つめていたが
なにやらピーンときたような顔をして
「はは〜ん、解った!翼の虫干しだな?」と言ってきた

「んな訳ねぇだろ!翼に虫なんか湧かねぇよ!」
ちょっとキレ気味なシロン

「湧かないの?」とシュウ

「湧かねぇよ!俺ぁレジェンズだぞ!」
「タリスポットに戻ればいつも清潔!綺麗なもんだ!」

「ふ〜ん・・・タリスポットに戻らなきゃ湧くんだ」

「しつけ〜な!おめぇも!湧かねぇっつってんだろが」
シロンの顔にお怒りスタンプ(+←コレね)がいっぱい出てくる

「ふ〜ん、まっいいや!」
そう言ってシュウはバフッとシロンの翼の上にダイブした

「いて!」
「いて〜じゃねぇか!もっと優しく乗れや!!」
お怒りスタンプMAXのシロンは言い方もキツイ

しかし人(竜)の話をまったく聞かずに
「ん〜ふっかふか〜」
そう言いながら翼に頬ずりしたり
ゴロゴロと転がったりして遊ぶシュウ
「わ〜ぬくぬく〜気持ちいい〜♪」

そんなシュウの可愛い仕草を見ていると
お怒りスタンプが一気に消えていくシロン

「・・・・・そんなに気持ちいいのか?」
と聞いてみる

「おお!気持ちいいぞ!」
元気に答えるシュウ

「そっか・・・・」
じゃれ付いてくるシュウを見つめながら
ほんの少し口元がゆるむ



しばらくして
「くしゅっ!」
シュウがくしゃみをした

まだ冬場の秘密基地の屋上
いくらシロンの翼が暖かくとも
半そで半ズボンのシュウに冷たい風はやっぱり寒い

するとシュウの上のほうでバサリッと音がした
そしてシュウの回りが少し暗くなる、太陽が遮られていた
シロンのもうひとつの翼がシュウの上にかかったのだ

シロンはシュウの方に横向きになり翼でシュウを覆う

「でかっちょ・・・」

「風が冷たいからな・・・風邪ひいちゃまずいだろ」

「・・・・その体勢・・・翼痛くない?」
ムードもへったくれもないシュウのセリフ
確かにシュウの下に敷かれている翼は今シロンの下にもなってて体重はかかってる

ちょっとは痛かったけど
今はこの状態でいたかったシロンは
「痛くねぇよ・・・」と呟いた

シュウの温かな体温が翼から伝わってくる

シュウの甘い香りもシロンの鼻をくすぐる

今愛しい少年は目の前にいて
その大きな碧の眼は自分に向けられていた

「なぁ・・・」とシロン

「ん?何?」

「キス・・・していいか?」
その青い瞳はかなり真剣に訴えている

「・・・あ〜キスね、・・・キス・・・って、えぇえええ?」
いきなりの言葉にかなりびっくりのシュウ

「ダメか?」

「・・・・一応聞いてみるけど、何処にキスしたいの?」
少し悩みながらおずおずと聞いてみる

「出来たら口がいいな・・・」
少しだけシュウから目を逸らすシロン
恥ずかしいみたいでいつもの白い顔が何故か赤くなってる

いつもは強気な俺様なシロン
でも今の顔はちょっと可愛いと思ってしまうシュウ

しばらく黙ってシロンを見つめていたが
「・・・・別に・・・いぃ・・・けど・・」と小さく呟く

その声を聞いて
はっと顔をシュウに向けて見つめるシロン
「マジで?」

「・・・・・」こくんと頷くシュウ
こちらもトマトみたいに真っ赤になってる

しばらく驚いた顔でシュウを見つめていたシロンだが
意を決したような顔をしてシュウの肩に手を置いた

シロンの顔がシュウに近づく
「いくぞ・・・」

そう言われて目を閉じるシュウ

「・・・・・」

そしてお互いの口が触れ合う
柔らかく、温かく、そして甘いキス



シロンの白い翼の中で
1竜と1人の甘い時間は過ぎていった



おしまい


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あとがき

えっと頂き物イラストのお礼の
山田サトミさんのリクエスト「シロン×シュウラブラブSS」です

うわ〜・・・全然ラブラブじゃないよ・・・
そもそも1500文字以内ってのをぶっちぎってる気がする・・・
どうしよう(滝汗)
うわぁ〜;;;ごめんなさいサトミさん
えっとえっと文字数ダメだったら言ってください
もっと短いの考えるので(平謝り)

と・・・取りあえずお受け取りください(ぺこぺこ)