▼詩 


10年前の月曜日
雨が降った中座った古びたベンチ
冷たかった木のベンチ
雨じゃなく、ベンチが冷たかった


悲しくはない
ただ、笑えないだけで
少しずつ歩いていこうって考えたけど
疲れただけ
何もないつもりだけど
小さい黒い塊が
やっぱどっかに残ってて


とてもつらかった
心が解けていく気がした



10年後の月曜日
雪が積もった古びたベンチ
座ると濡れた木のベンチ
自分の体温が憎らしかった


悲しくはない
苦しくはない
ただ安心した
まだいてくれてたんだって
また座ってほっとした
眠たいだけ


涙が出た
自分じゃなく、ベンチに対して




1ヶ月後の月曜日
古びたベンチはなくなった
嫌なくらいにピカピカの真新しいベンチが笑ってた




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2008/4/16(Wed) 23:44
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