白銀の街で
〔叫び〕




「―――私は、」



その瞬間私は重いドアを開いて
走り出す



さっきまで絡みついていた暖炉の熱が冷たい風にほどけて
私は走る
縺れそうな足を必死で動かして
震える唇をかみしめて
凍えそうな吹雪の中
胸も躯も張り裂けそうな痛みを感じながら


これで最後になってしまうかもしれない

だから、

せめて、

もう一度


「、逢いたい―― お願い、もう一度だけ 一度で良いから お願い、――逢わせて―――」



夜の銀世界 独り 彼の足跡をたどり
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