・夢の相殺
〔劣等感〕


ずっと前から感じていた
紛れもない劣等感

私はなにかにつけ努力するのが苦手で光り輝く天性の才能なんて一つも持っていなくて
誰からも期待されないし
自分だって物語の主役になれるほどの人間じゃないことはわかってた

それに比べて彼女は
なにかにつけ隠れたところで努力していて幼い頃から溢れんばかりの才能も持っていて
誰からも期待されて
周りから見れば充分、物語の主人公になれるだけの力を持っていた

私が努力しなかったのは生まれつき大抵の事は上手く流す事が出来たし
自分で動くよりも人の背中を見るのが好きだったから

彼女が努力する理由は多少不器用な代わりに誰からも期待される性格で
その上人に期待されるのが好きだったから


いつでも正反対

私は興味があることならいくらでも時間を費やすのに
彼女はいろんなものを満遍なく習得していく

私の好きな事に対する集中力はとても高いのに
彼女は好きなものがない代わりに何にでも集中力が持てた

私は人をいつでも警戒していて怯えていたのに
彼女は人をいつでも人を認め受け入れてゆく

私の方が勘は鋭いのに
彼女の方が解決策を知っている

私は人を平気で騙すのに
彼女は人を騙せない

私は人に騙されないのに
彼女は人に騙される

私は人に嫌われるのに
彼女は人に愛される

私は人に期待されるのも期待するのも嫌いで自分から自由を束縛してる
彼女は人に期待されるのも好きで期待もして自分から自由に束縛されてる


同じ名前を持ちながら

彼女は全ての始まりの名前を持っている
私は終わりの名前を持っている


ファリンファレシュの夢は私の夢を打ち砕く
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