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ガタンゴトン

思った事がある。
このレールを外れ、全く違う方向へ進んだらどんな所へ行けるのだろうと・・・
私は、このレールは安全で安心出来る道だと聞いている。
この道こそが未来へと繋がる道。
この先以外の未来は無いのか?
・・・これ以外の道は無いのか?
それは・・・

・・ガタンゴトン

屋根の上の男は偉そうに腕を組む。そして、大きな声で言う。

「進め進め進め!安心して進め。その為のレールだ。さぁ、進め!この先にこそ平穏がある!進め進め進め!我等に怖いものは無い。その為のレールだ。さぁ、進め!邪魔するモノはぶっ壊せ!これは我らの道なのだから!進め進め進め!」

・・・・ガタンゴトン

何故だろう。
足が鈍り始めた。
私はこの先に進みたく無いのだろうか?
いや、私はこの道を進むしか無い。
この真っ直ぐな道をただただ真っ直ぐに・・・・
曲がるなど論外。
それは破滅。
しかし、それとは解っていての希望。
進めるかも知れない。
あるかも知れない。
道が!

ガタンゴトン!

男は空を見る。
そして、一言。
「・・・ひと雨来るな。」

ガタンゴトンガタンゴトン!!

迷う事は無かった。
ただ、レールの上を走っているだけで生きているなんて言わない。
それは、レールに生かされているだけ。
辺りの景色は緑。
山に囲まれている。
こんな景色より私が見たい景色は・・・海!!
透き通る綺麗な水。
どこまでも広がる真っ青な海。
海に入る時、大きな音を出して魚達を驚かせてしまうかも知れないけれどそれは御愛嬌。
きっと、謝れば許してくれる。

ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン!!!

進め進め進め!恐れを乗り越えて。レールは無い。さぁ、進め!自らの望む明日の為に!進め進め進め!道は解らない。レールは無い。さぁ、進め!自らの道は自らで作るモノだ!進め進め進め!
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